タイトル(掲載誌)平成12(2000)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 2000 Research Project Summary
一般注記金沢大学附属病院
テロメラーゼは細胞の不死化に関わる最も重要な因子であり,様々なヒト癌組織でその活性は上昇している。特にテロメラーゼを構成する蛋白の一つである human telomerase catalytic subunit(hTERT)の mRNA の発現とテロメラーゼ活性が正の相関を示すため,この蛋白がテロメラーゼの活性中心であると考えられている。本課題においては,hTERT の発現制御機構解明のため,以下の実験を行い成果を得た。1)アンドロゲン非依存性ヒト前立腺癌細胞株であるDU-145,PC3,TSUPr-1を用い,5-azacytidineを含む培養液中で培養すると,DU-145 では増殖が抑制され,TRAP assay にてテロメラーゼ活性の低下が認められた。またこのテロメラーゼの活性低下はRT-PCR 法にてhTERT mRNAの発現低下を伴っていた。2)次に 5-azacytidineのhTERT promotor 活性に及ぼす影響を検討するため,何種類かのhTBRT promotor deletion mutant plasmidを作製し,DU-145 にリポフェクチン法にて導入し,Dual luciferase assay法にて転写活性を比較すると,5-azacytidineにより転写活性が抑制され,そのPromotor領域は-180 の myC領域であることが判明した。3)次にmyc領域に従来から抑制的に作用すると考えられていたp16への影響をRT-PCR 法,ウエスタンブロット法にて,5-azacytidineがp16の発現を増加させていることが判明した。以上の結果から,5-azacytidineのヒト前立腺癌増殖抑制作用は,p16-myc-hTERT 系を介することが明らかになった。
研究課題/領域番号:11770886, 研究期間(年度):1999-2000
出典:「ヒトテロメラーゼサブユニットの発現制御機構の解明」研究成果報告書 課題番号11770886(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))( https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11770886/ )を加工して作成
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=80311679
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-11770886/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)