タイトル(掲載誌)平成19(2007)年度 科学研究費補助金 奨励研究 研究概要 = 2007 Research Project Summary
一般注記金沢大学工学部
本研究では学生が制御理論を学習し、また独創性を体感するための方法を実現することを目的とする。そのためにまず独創性について考え、その観点に基づき磁気浮上実験装置の製作を行う。例えばある着眼点を持って問題の設定を行い、その解決を試みる。それが大変に難しい場合であっても、可能性を追求し続けることで何らかのきっかけによる発想の転換があり、問題が解決されることがある。これは頭の中での発想を超える発想ということになるが、後から考えるとなるべくして成り立っていると思うことが多い。このような場合、独創を直感するということが重要であり、またこの独創する感覚を学ぶことは、これから技術者になろうとする者にとって大変な意義があると思われる。一方で、制御系について考えた場合、なるべくして成り立つような制御対象というものは意外に少ない。磁気浮上系もそのうちの一つになるが、この現象と装置自体を発想させることが、独創する感覚を得る、もしくはそのヒントになるのではないかと考えられる。まず磁気力によって鉄球を安定浮上させる問題を設定する。この系の数学モデルを考えた場合、現象を表す微分方程式は非線形となるが、安定浮上させることを考えると平衡点のみでモデルを考慮すればよい。解決手法は平衡点まわりでテーラー展開することであり、これにより線形制御理論を適用することが出来る。また、操作量としての磁気力を適切に与えるためには位置情報をフィードバックさせることが必要であり、これらの解決手法より磁気浮上装置の設計が可能となる。実験では極の配置を考えることで応答が変化することがわかり、制御理論について考察することができる。なお、装置は状態変数として電流値を含む3次の制御系となり、ギャップの変位速度については信号雑音も微分する恐れがあるためにオブザーバ併合レギュレータを製作した。
研究課題/領域番号:19917009, 研究期間(年度):2007
出典:「制御理論の学習と独創力向上を目的とした磁気浮上実験装置の開発と探求」研究成果報告書 課題番号19917009(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所))(https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19917009/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=56255&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=19917009
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19917009/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)