並列タイトル等Non-invasive chemical analysis of stone artifacts: re-discover and construct new paradigm of nephrite artifacts in Asian prehistory
タイトル(掲載誌)平成30(2018)年度 科学研究費補助金 研究活動スタート支援 研究概要 = 2018 Research Project Summary
一般注記金沢大学人間社会研究域附属国際文化資源学研究センター
日本を含め多くの地域で、発掘収蔵品、特に岩石同定調査はほとんど行われておらず、正しい化学分析による、客観的な岩石の記載に不備があった。本研究では携帯型蛍光X線分析装置(pXRF)を用い石製遺物の化学的分析と岩石同定を行うことで、先史時代の石材の把握と地質考古学的検討を試みている。第1年度は研究対象地域を、日本でも縄文時代の大規模遺跡として広く認知されている富山市の同市北代遺跡(縄文時代中期)および小竹貝塚遺跡(縄文時代初期)に注目して、同地域から出土した石斧の石材分析に取り組んだ(2017年11月)。北陸地方はヒスイ文化の中心地でもある。一方、同じくヒスイの原産地でもあるミャンマー中部地域の先史時代(新石器~青銅器時代)の遺跡から発掘された石製遺物についても、現地でのpXRF分析を試みた(2018年1月)。更にタイ、チュンポーン(2018年3月)での現地から出土した石製遺物の分析を行った。これまで日本の縄文時代石製遺物については、多くが蛇紋岩あるいは緑色岩を用いて製作されていると認識されていたが、今回の分析によって、蛇紋岩製石斧はごく少数しかなく、ほとんどのものが角閃石岩、その中でも多くがネフライト(緑閃石岩)製であることがわかった。縄文前期から中期にかけてヒスイ製の装飾品は存在することあれ、量的にはネフライトが大多数であった。一方、ミャンマーでは、安山岩、蛇紋岩を用いた石斧も確認できたが、これまでに分析したなかで約15試料がネフライト製の腕輪が認められた。また今回はじめてヒスイ製の装飾品を1つ確認することができた。一方、タイ南部のチュンポーンでは、青銅器時代も重要拠点遺跡(Khao Sek)から、ネフライト製のリンリンオー耳飾りと双獣頭ペンダントを確認できた。これまでの東南アジアの調査でもっとも南西から出土したものとして報告準備中である。
研究課題/領域番号:17H06707, 研究期間(年度):2017-08-25 – 2019-03-31
出典:「非破壊化学分析による石器石材の研究: ネフライト製石器の再認識と新解釈」研究成果報告書 課題番号17H06707(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17H06707/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=52408&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=90804203
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-17H06707/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)