タイトル(掲載誌)平成7(1995)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1995 Research Project Summary
一般注記金沢大学工学部
研究目的について従来の1次元信号処理では雑音の影響を受けていた音声信号のスペクトルを雑音のスペクトルより分離して高精度に推定するために、直線上に等間隔に配置されたアレーマイクロホンに入射する音声信号に対して2次元自己回帰モデル(ARモデル)の時変係数を適応的に推定することについての研究を行った。具体的には、モデルの係数を適応的かつ高精度に推定するために、従来の2次元逐次最小2乗法を出発点とするが、その計算量が多いため、推定精度が同一でかつ計算量を削減した高速算法を開発した。また、アルゴリズムに時変性を持たせるための逐次最小2乗法の重み係数や必要マイクロホン数についても検討を行った。研究実施計画について画像処理の分野では、C.R.Zou等により2次元ARモデルに基づく高速な逐次最小2乗法のアルゴリズムが開発されている(IEEE Trans.on CAS II,Oct.1994)。本研究では、この手法を時間的な因果性を満たすマイクロホンアレー信号に適用できるように拡張し、さらに高速なアルゴリズムに改善した。また、逐次最小2乗法の時変量(重み係数)に関しても、1次元の手法における設定法がそのまま本手法に有効であることを確認した。実験はワークステーション上で行った。実験に用いた2次元データは、1次元のARモデルにより生成した合成音声を用いて、雑音も含んだ2次元信号として作成された。実験結果より、所望の音声スペクトルと雑音スペクトルが分離して推定され、本アルゴリズムの有効性が確認された。また、実験より、多くのマイクロホンが必要になったので推定精度を下げずに必要マイクロホン数を削減する方法も開発した。有声音声と無声音声に対する推定精度の違いについては、有声音声の場合、声帯波のピッチの影響を受けて推定精度が劣化する区間があることがわかった。
研究課題/領域番号:07780243, 研究期間(年度):1995
出典:研究課題「2次元自己回帰モデルに基づく適応的音声分析」課題番号07780243(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-07780243/)を加工して作成
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=00262551
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-07780243/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)