タイトル(掲載誌)平成7(1995)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1995 Research Project Summary
一般注記金沢大学医学部
1.肝細胞癌,境界病変の背景肝における"ルイスY抗原陰性巣":肝細胞癌30例,境界病変2例のホルマリン固定パラフィン包埋切片を用い,免疫組織化学的にルイスY抗原の発現を検討した.肝細胞癌の内10例と境界病変2例の背景肝に,"ルイスY抗原陰性巣"の出現を認めた.この12例の背景肝はほぼ全例完成した肝硬変であった."ルイスY抗原陰性巣"は,肝硬変偽小葉の中心部に位置し,多発する傾向にあった."ルイスY抗原陰性巣"のサイズは種々であったが,いずれも結節状で膨張性の発育を示し,細胞密度はやや高い傾向にあった.肝細胞癌,境界病変では,肝細胞癌13例(43%)に部分的なルイスY抗原陽性を認めるのみであった.針生検材料(肝細胞癌10例,境界病変14例)の検討でも,肝細胞癌の3例(30%)でのみ,部分的にルイスY抗原陽性を見るのみで,境界病変は全例ルイスY抗原陰性であった.境界病変例の内,2例では,ルイスY抗原陰性の境界病変部が圧排性に発育していた.2."ルイスY抗原陰性巣"におけるKi-67抗原,p53蛋白発現:"ルイスY抗原陰性巣"の見られた肝細胞癌10例,境界病変2例で,免疫組織化学(マイクロウエーブ賦活)的に,増殖活性の指標であるKi-67抗原と,癌抑制遺伝子産物であるp53蛋白発現を検討した."ルイスY抗原陰性巣"では,Ki-67抗原発現は周囲よりやや高い傾向にあり,増殖活性の増加が示唆された.p53蛋白発現は“ルイスY抗原陰性巣"では全く見られなかった.尚,p53蛋白は,肝細胞癌では6例に陽性であったが,境界病変では全例陰性であった.3.まとめ:今回の検討より,"ルイスY抗原陰性巣"では,増殖活性が増加していること,p53蛋白発現はないことが明かとなった.この性質は境界病変と同様であり,癌関連病変あるいは前癌病変であると考えられた.
研究課題/領域番号:07770124, 研究期間(年度):1995
出典:研究課題「ウイルス性肝硬変の再生結節内の“ルイスY抗原陰性巣":新しい癌関連病巣か」課題番号07770124(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-07770124/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=59658&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=70225895
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-07770124/
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