タイトル(掲載誌)平成9(1997)年度 科学研究費補助金 重点領域研究 研究概要 = 1997 Research Project Summary
一般注記金沢大学理学部
平成9年度は、ポリマーの秩序形成の研究と、ランダム媒質中のヘリウムの性質の研究を行なった。以下にその成果を報告する。(1)ポリマーの秩序形成の研究タバコモザイクウイルス(TMV)に多糖類を加えた時のTMVの秩序化に関してシミュレーションを行なった。この問題は、薬の製造とも関連して重要な課題である。我々はまず、TMVと多糖類の簡単なモデルを作った。ポテンシャルとしては、TMV-TMVおよびTMV-多糖類間にはhard-coreポテンシャル、多糖-多糖間にはLenard-Jonesポテンシャルを用いた。箱の大きさを変化させることにより濃度を変えた。我々は、配向の秩序パラメ-ラやx,y,z方向の動径分布関数を計算した。濃度を上げて行くと、まずTMVと多糖の相分離が起こり、さらに濃度を上げると、TMVのnematic相が見られることがわかった。結果を食総研の佐野氏や物性研の今井氏らの実験結果と比較した。また、松山氏らの分子場近似と比較を行なった。(2)超流動ヘリウムの研究aerogelなどのランダムな媒質中にヘリウムを入れた場合の性質が興味を集めている。我々は、2次元ランダムハバ-ドモデルを用いて、量子モンテカルロ法でこの現象を研究した。その結果、1次元系と比較して、ボ-ズガラスになりにくいことがわかった。また、1方向に壁がある場合、壁の高さがかなり高い場合でも、壁と垂直な方向の超流動成分が残ることがわかった。これは量子効果のためである。また1方向に溝がある場合には、超流動成分は、溝の深さの非単調な関数であることがわかり、2次元から1次元へのクロスオーバーを考察した。
研究課題/領域番号:09212213, 研究期間(年度):1997
出典:研究課題「ポリマーの結晶化とゲル相転移の研究 」課題番号09212213(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09212213/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=59705&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=50202148
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09212213/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)