タイトル(掲載誌)平成10(1998)年度 科学研究費補助金 萌芽的研究 研究概要 = 1998 Research Project Summary
一般注記金沢大学理学部
ヒドロキシルアパタイト(HAP)を修飾した多孔性電極を用いて酵素(シトクロムc)の直接電気化学を検討し以下の成果を得た.(1) 極間電圧50Vでの電解還元析出により得たヒドロキシアパタイト(HAP)の等電点はpH=7.6で市販品(太平産業)の等電点,pH=7.5(球形HAP)〜pH=7.8(HAP200および300)とほぼ同じであった.(2) 上記市販のヒドロキシアパタイト(HAP)微粉末塗布電極において,基体電極としてPt,Au,GC(グラッシーカーボン)を選び,シトクロムcの直接電気化学を検討した.直接電気化学が可能であったのはGCのみで,基体電極とヒドロキシアパタイト微粒子との境界領域でシトクロムcの電極反応が進行すること,ならびにヒドロキシアパタイトが固体プロモータとして機能しうることが明らかとなった.(3) HAP微粉末塗布GC電極(塗布量35μg/cm2)の表面被覆率を中性の1,1'-フェロセンジメタノールを用いた電位ステップ法により測定した.被覆率は10〜20%,有効表面積は80〜90%であった.(4) 0.04Mリン酸二水素カルシウム水溶液中でのパルス電解(-9.5V(vs.Ag|AgCl)x20秒,0Vx20秒の繰り返し)によるヒドロキシアパタイトの析出挙動を購入した水晶振動子化学計測装置(Pt電極(表面積0.2cm^2))を用いて追跡した.析出量は電解時間に比例し,1200秒の電解で64.5μgの析出を確認した.(5) 定電圧電解(陰極GC,陽極Pt)で析出したHAPの微粉末塗布GC電極(塗布量35μg/cm^2)でのシトクロムcの直接電気化学では,還元ピーク電位と酸化ピーク電位との差(ΔEp)がHAPの結晶性の向上とともに低下し,50V電解析出物で可逆的電子移動を意味する65mVが得られた.
研究課題/領域番号:09874140, 研究期間(年度):1997 – 1998
出典:研究課題「多孔性ヒドロキシルアパタイト修飾電極による酵素の直接電気化学 」課題番号09874140(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09874140/)を加工して作成
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=60089878
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-09874140/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)