文書・図像類
葉緑体を中心とする各種プラスチドの電子伝達反応の制御機構
資料に関する注記
一般注記:
- 金沢大学理学部これまでの2つの国際学術研究(平成4年からの2年間(04044110)および平成6年度1年間(06044086))で行って来た共同研究をさらに前進させ、葉緑体を中心とする各種のプラスチドの電子伝達反応の制御機構を解明することは、光合成から始まる植物の重要な同化機構までを一体として捉らえ...
関連資料・改題前後資料
https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=70028174
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07044188/
https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-07044188/070441881995kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/
書店で探す
全国の図書館の所蔵
国立国会図書館以外の全国の図書館の所蔵状況を表示します。
所蔵のある図書館から取寄せることが可能かなど、資料の利用方法は、ご自身が利用されるお近くの図書館へご相談ください
書店で探す
書誌情報
この資料の詳細や典拠(同じ主題の資料を指すキーワード、著者名)等を確認できます。
デジタル
- 資料種別
- 文書・図像類
- 著者・編者
- 和田, 敬四郎Wada, Keishiro
- 出版年月日等
- 1997-03-03
- 出版年(W3CDTF)
- 1997-03-03
- 並列タイトル等
- Regulation mechanism of the electron transport in chloroplasts
- タイトル(掲載誌)
- 平成7(1995)年度 科学研究費補助金 国際学術研究 研究成果報告書概要 = 1995 Fiscal Year Final Research Report Summary
- 巻号年月日等(掲載誌)
- 1995
- 掲載巻
- 1995
- 掲載ページ
- 3p.-
- 本文の言語コード
- jpn
- 件名標目
- 対象利用者
- 一般
- 一般注記
- 金沢大学理学部これまでの2つの国際学術研究(平成4年からの2年間(04044110)および平成6年度1年間(06044086))で行って来た共同研究をさらに前進させ、葉緑体を中心とする各種のプラスチドの電子伝達反応の制御機構を解明することは、光合成から始まる植物の重要な同化機構までを一体として捉らえ、理解するために不可欠であると思われる。新しくスタートした共同研究(07044188)では、とくに以下の点を明らかにすることを目的とした。1)フェレドキシン(Fd)を中心とするプラスチド内の電子伝達反応に関して、光合成組織における葉緑体と非光合成組織におけるプラスチド間でどのような違いがあるか明らかにする。2)光化学系I反応中心複合体の電子伝達成分を高等植物の葉緑体、緑色イオウ細菌、さらに原始的と考えられているHeliobacteriaについて比較検討し、Fe-Sセンター型光化学系の電子伝達の調節機構を明らかにする。3)チオレドキシン系によるチオール=ジスルフィド交換反応と細胞内レドックス調節機構との関連および種々生理活性物質の機能調節について明らかにする。これらの点について研究は日米双方でそれぞれ独自に行うが、なるべく連絡を密にして情報交換を行うことにした。またそれぞれが研究を補完し合うために、互いに調製したサンプルを持参して結果の検討をすることとした。非光合成組織におけるプラスチドの電子伝達機構の研究はこれまでにも和田、松原、ブキャナンによって行われてキたが、今年度に至ってようやくホウレンソウ根から非光合成組織に特異的に発現するフェレドキシン-NADP還元酵素 (FNR)のcDNAを得ることに成功したのは今後の研究に対しても大きな成果の一つであった。これまでの方法を再検討して、改めて作成したDNAプライマーを用いて、PCR法により正しいクローンを得ることができた。その結果、葉緑体で発現すつFNRとアミノ酸配列を比較することが可能となり、これまでに報告されてきたイネ、トウモロコシのものとも合わせ、非光合成組織のもの同士は相同性が高く、光合成組織のものと非光合成組織のものとは相同性が低いことが、これまでもFdのアミノ酸配列からも言われていたように、明らかになった。これは進化的に重要な意味をもっており、植物種の分化以前に光合成組織と非光合成組織の分化が起こったことの証明と考えられる。NADPHの結合サイトやフラビンの結合サイトでは互いに相同性が高いこと、またFd結合サイトを含むN-末端部で違いが大きいことも、非光合成組織においては葉緑体とは逆の電子伝達を行っているとする考えを指示するものである。また、非光合成組織型FNRが幼植物では葉緑体でも発現・機能している事実が明らかになり、発現調節は組織特異的ではなく、もっと複雑にプラスチドの機能と連携した機構で調節が行われている用である。得られた非光合成組織型FNRのcDNAを用いて、いよいよ発現調節の研究に着手できることになった。葉緑体の光化学系I複合体はいわゆるFe-Sセンター型で、緑色イオウ細菌の光化学系を祖先系とするものと考えられて来た。最近特にHiliobacteriaの光化学系の研究が進み、共通してFe-Sセンター型光化学系をもつことが明らかとなった。それらが有する複合体内の電子伝達成分についても相当の相同性が見られる。ゴルベックは光化学系I複合体のセンターXに着目し、そのFe-Sセンターを保持していると考えられるシステイン556とシステイン565をセリンに遺伝子改変によって変えたものを用いて、Fe-Sセンターを構成させ、電子伝達速度の変化を比較した。そしてFe-Sセンター結合部位近傍のどのアミノ酸残基が重要かについても明らかにした。これはブランケンシップらのHeliobacteriaの光化学反応中心複合体タンパク質の構造比較からの結論ともよく一致することが明らかとなった。ブキャナンらはチオレドキシン系によるチオール=ジスルフィド交換反応と細胞内レドックス調節の機構を解析して来た。最近では細胞内レドックス調節の重要性が細胞内でのウイルスの繁殖とも関連しているとの結果も出され、ますます重要視されている。また種々の生理的阻害物質、蛇毒、蜂毒等の生物毒、アレルゲンなどの生理活性物質の無力化にもこのチオレドキシン系が有効に利用できるという結果が集積されつつある。これらプラスチド内の電子伝達機構の調節は、それ自身で重要であるばかりか、ひいては細胞内の電子伝達とレドックス調節にも繋がりを持ち、あらゆる植物の環境適応や生育そのものにも関係し、植物研究の基礎となるものである。Regulation mechanism of the electron transport in chloroplasts and the related platids was investigated by the group including three American scientists who are experts in each field. Experiments were planed by focussing on1) regulation mechanism of electron transport in photosystem I core complex,2) regulation mechanism of electron transport to NADP^+ or from NADP^+ around ferredoxin in chloroplasts and plastids of non-photosynthetic tissues,3) regulation mechanism of several proteins by thiol-disulfide exchange reaction which is mediated by thioredoxins,4) redox regulation by thioredoxin system.Each electron transferring components in Fe-S type reaction centers from chloroplasts from higher plants, green sulfur bacteria and primitive bacterium Heliobacter mobilis were compared in the aspect of structure and function.With PCR method cDNA of ferredoxin-NADP oxidoreductase mainly expressed in non-photosynthetic tissues was cloned and compared with other cDNA sequences of FNR from rice and maize.The new function of thioredoxin h was characterized and the allergenicity in food proteins was clarified to be reduced by thioredoxin.研究課題/領域番号:07044188, 研究期間(年度):1995出典:研究課題「葉緑体を中心とする各種プラスチドの電子伝達反応の制御機構」課題番号07044188(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-07044188/070441881995kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/)を加工して作成
- DOI
- 10.24517/00066190
- 一次資料へのリンクURL
- https://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=59939&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
- オンライン閲覧公開範囲
- 限定公開
- 著作権情報
- CC BY-NC-ND
- 関連情報
- https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=70028174https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07044188/https://kaken.nii.ac.jp/ja/report/KAKENHI-PROJECT-07044188/070441881995kenkyu_seika_hokoku_gaiyo/
- 連携機関・データベース
- 国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
- 提供元機関・データベース
- 金沢大学 : 金沢大学学術情報リポジトリKURA