タイトル(掲載誌)平成7(1995)年度 科学研究費補助金 重点領域研究 研究概要 = 1995 Research Project Summary
一般注記金沢大学医学部
研究目的:インフルエンザウイルスの遺伝子は8種類のマイナス鎖RNAから成り、NP蛋白質が結合したRNP構造を形成している。ウイルスが細胞に感染すると、RNPは核内へ移行し複製される。感染後期に至ると、新たに複製されたRNPは細胞質へ移行し、ウイルス粒子に取り込まれる。本研究では、ウイルスRNPの核内複製様式、核・細胞質間輸送機構、並びにこれらの制御機構を解明する事を目的する。本年度は、1)核・細胞質間輸送に欠損を持つM1蛋白質温度感受性変異株、細胞内発現系等を用いたの解析から、M1蛋白質、並びにこれと相互作用する蛋白質の同定と、核・細胞質間輸送の制御に於ける役割を知る。2)M1蛋白質、並びにこれと相互作用する事が示唆される非構造蛋白質NS1、NS2と相互作用する宿主蛋白質の同定を、酵母Two‐hybrid systemを用い行う。研究成果:1)変異M1蛋白質は1アミノ酸の変化から成っており、この変異によりM1蛋白質の合成直後の核移行が促進されるが、これには、N52蛋白質が関与していた。感染細胞の核内に存在するRNPには、M1蛋白質に加えNS1及びNS2蛋白質が結合した複合体構造を取っており、細胞質への移行に関与していると考えられた。2)NS1蛋白質と相互作用する宿主蛋白質として、少なくとも、hUBC9遺伝子産物(Human ubiqutin conjugating enzyme)、及びNF90遺伝子産物(Human nuclear factor 90)が同定された。これら蛋白質相互作用の生物学的意義については、今後の解析を必要とする。
研究課題/領域番号:07282204, 研究期間(年度):1995
出典:研究課題「インフルエンザウイルスの複製に機能する細胞核の役割と核・細胞質間輸送の制御機構」課題番号07282204(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07282204/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=59959&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=30168794
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07282204/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)