タイトル(掲載誌)平成7(1995)年度 科学研究費補助金 一般研究(C) 研究概要 = 1995 Research Project Summary
一般注記金沢大学薬学部
ネパール産生薬Emberia ribes(現地名 Bayubidanga)の果実は,古来,条虫駆除の目的に用いられてきたが,近年ネパールの研究者らによって,ヒト鞭虫に有効であると報告された.しかし,同様の投与実験がスリランカで行われた結果,その効果は疑わしいと報告され,現在未解決となっている.我々は,既にE.ribesの果実成分中ネズミ鞭虫(Trichuris muris)に対して強い殺鞭虫作用を示す物質がembelin(1)であることを明かとした(MLC=0.01mg/ml).しかし,UV吸収による追跡によって本化合物は煎剤中には役1/10量が移行するのみで,水と煮沸すると別種の化合物に変化することが明かとなった.この変化体として化合物2(45%),化合物3(10%),化合物4(2.3%),化合物5(3.3%)の4種を分離し,うち化合物2,化合物3の2種の構造を明かとした.化合物2はembelinが脱水を伴いつつその骨格が二量化したもの“dimer"で,化合物3はそれが更に脱水閉環し,還元をうけ“benzofuran-quinone"となったものであった.また,我々が新しく製したpotassium embelateは水と煮沸しても安定であった.上記のような変化は,従来天然成分の変化として考えられてきた抱合,加水分解,酸化等とは全く別種のものであり,今後生薬より煎剤を製する際に考慮すべき問題である.
研究課題/領域番号:07672263, 研究期間(年度):1995
出典:研究課題「煎剤調整時における成分変化:ネパール産生薬成分Embelinの化学的変化」課題番号07672263(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07672263/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60024&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=40077508
https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-07672263/
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