タイトル(掲載誌)平成6(1994)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1994 Research Project Summary
一般注記金沢大学理学部
滑らかな係数をもつ確率微分方程式の解は,形式的に確率ティラ-展開,即ち,1次,2次,3次,...の多重確率積分の無限和に展開される.この和はあくまで漸近的な意味しかなく,一般には概収束,確率収束,あるいは平均収束等はしない.しかしながら確率ティラ-展開は,例えば,熱核等の漸近問題を考える場合,展開中に現れるすべての多重積分から熱核の情報を知ることが出来るという意味で有効である.論文“Multiple stochastic integrals..."では,確率ティラ-展開中のp次の多重確率積分の表現公式を求めた.実際,1次の多重積分はブラウン運動の線形結合として表される汎関数,また2次の多重積分はブラウン運動の2次式,及びレヴィーのstochastic areaタイプの確率積分の線形結合として表される汎関数である.さて,テリ-・ライオンは,プレプリント“The interpretation and solution of ordinary differential equations driven by rough signals"において次のことを述べた(1993年):「確率ティラ-展開中のp次(p≧3)の多重積分は,deterministicな意味で,1次,2次の多重積分の汎関数である.」しかしこれは間違いであることがわかった.
研究課題/領域番号:06740149, 研究期間(年度):1994
出典:研究課題「確率微分方程式と多重確率積分」課題番号06740149(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06740149/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60111&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=40197124
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06740149/
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