タイトル(掲載誌)平成7(1995)年度 科学研究費補助金 一般研究(C) 研究課題概要 = 1995 Research Project Summary
一般注記金沢大学教育学部
本研究の目的は、都市内システムの一日における短期的・周期的変化、すなわちデイリーリズムを、時間地図に基づいて分析することであった。実際の分析に当たっては、北陸の主要都市域の1つである金沢都市圈を、事例地域として選定した。そこで先ず本研究では、事例地域の位置づけを明確にするため、同地域の特性を他都市と比較しながら、イメージや社会・経済的観点から検討し、あわせて近年における交通条件の変遷についても調査した。時間地図復元のための基本的な資料としては、パーソントリップ調査の未集計データを利用することとし、それらを独自に整理・集計・かつ必要に応じて欠損データの補足を行うことによって、都市圏内各地区間の平均所要時間を時間帯別に求め、さらにプール代数法の適用により最短時間距離行列を導出した。上記データに対して多次元尺度構成法を援用することにより、時間地図を時間帯別に復元することができたが、これら時間地図の広がりを考察した結果、そこには朝夕の拡大と昼・夜の収縮があり、拡大は朝の通勤時間帯が夕方よりも明瞭で、一方で深夜から早朝にかけは最も収縮するものであった。また、シンベル指数により時間地図内の近接性を計測した結果、各時間帯ともほぼ同様に、縁辺部から中心部に向かって近接性の向上する同心円的変化パターンを見せたが、詳細に検討すれば、このパターンは地形や交通条件により歪みが生じており、それは特に朝夕の時間帯に明瞭になるものであった。加えて、通常の地図からの乖離度も分析した結果、上記近接性の場合とほぼ同様に、都市圏内では地形や交通条件が原因と考えられる乖離度の地域的・時間的差異があり、以上の諸点から、時間地図は規模の拡大と収縮、歪曲の増大と減少の繰り返しにより、都市内システムのデイリーリズムを支配しているといえた。
研究課題/領域番号:06680139, 研究期間(年度):1994
出典:研究課題「都市内システムにおける時間地図のデイリーリズム」課題番号06680139(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06680139/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60212&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=20176332
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06680139/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)