タイトル(掲載誌)平成6(1994)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1994 Research Project Summary
一般注記金沢大学医療技術短期大学部
本年度は,不動により生じる関節拘縮について,関係する筋肉コラーゲンの変化をコラーゲン線維の可溶性を中心に検討した.ラット足関節を1週及び3週間固定後,ヒラメ筋コラーゲン分子のコラーゲン量,可溶性の変化を測定し以下の結果を得た.1.コラーゲン量:ヒドロキシプロリン測定により得られた筋湿重量当たりのコラーゲン量は,1週群では固定側と無固定側間に有意差は無かったが,3週群については,固定側が有意に増加していた.2.塩可溶性コラーゲン量:全コラーゲンに対する塩可溶性コラーゲンの割合は,1週群では固定側と無固定側間に有意差は無かったが,3週群については,固定側が有意に減少していた.3.酸可溶性コラーゲン量:全コラーゲンに対する酸可溶性コラーゲンの割合は,1週群,3週群共に固定側と無固定側間に有意差は無かった.4.不溶性コラーゲン量:全コラーゲンに対する不溶性コラーゲンの割合は,1週群,3週群共に固定側と無固定側間に有意差は無かった.不溶性コラーゲンのペプシン可溶化率:不溶性コラーゲンをペプシン処理し,可溶化したコラーゲンの割合は,1週群では固定側と無固定側間に有意差は無かったが,3週群については,固定側が無固定側に比べ有意に減少していた.以上の可溶性の変化に関する結果から,1週程度の関節固定では関係する筋肉コラーゲンに影響は少ないが,固定が3週間程度まで及ぶと筋肉コラーゲンに変化が生じ始めるものと考えられる.可溶性の変化から,コラーゲン分子の架橋結合の変化を推察すると,3週間程度の固定期間から分子内架橋結合に変化を生じ,新たな分子間架橋結合の生成を推察することができる.
研究課題/領域番号:06771126, 研究期間(年度):1994
出典:研究課題「関節固定による筋肉コラーゲン可溶性の変化に関する研究」課題番号06771126(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06771126/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60078&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=60242541
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-06771126/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)