タイトル(掲載誌)平成12(2000)年度 科学研究費補助金 特定領域研究(C) 研究課題概要 = 2000 Research Project Summary
一般注記金沢大学がん研究所
哺乳類ゲノム中はどちらか一定の親から受け継いだアレルしか発現しないインプリント遺伝子が存在し、発がんにおいてもその役割が注目されている。そこで我々はがん関連遺伝子としてのインプリント遺伝子の網羅的同定を目指して以下の2つのアプローチをとってきた。一つは転写物中の多型cSNPを利用するもので我々が独自に開発したアレリックメッセージディスプレイ法を利用するものである。本法には母性発現遺伝子とミトコンドリア転写物との識別が煩雑という欠点があったが、核移植によって亜種でありながら同一のミトコンドリアを持つマウスを準備しこの問題を克服した。この系統を用いたスクリーニングが進行中で既に20余りの候補cDNAバンドを得て解析を進めている。もう一方はゲノム配列からインプリント遺伝子に特徴的な反復構造を持つCpGアイランドを同定し、近傍遺伝子を候補として解析する戦略である。ヒトゲノムドラフト配列から抽出したCpGアイランドをHerrプロットにかけ縦列反復構造を保持したものを選択、メチル化感受性制限酵素HpaII消化とPCRによる解析を行ったところ、予想外にもこのタイプのアイランドの多くが正常組織中でも完全にメチル化されていた。そこで片側アレルのみがメチル化されたアイランドを効率的に同定する為にメチル化特異的制限酵素McrBCを併用するHpaII-McrBC PCR法を考案した。この方法でImpact遺伝子全域のメチル化をスキャンした結果、プロモータと第1イントロンは母親由来アレルのみがメチル化されるがそれ以外の領域では両アレルともメチル化されることが迅速に示され、本法の有効性が実証された。現在、これを用いたCpGアイランドメチル化の系統的解析に着手した。
研究課題/領域番号:12213032, 研究期間(年度):2000
出典:研究課題「がん関連遺伝子候補としてのインプリント遺伝子の網羅的単離」課題番号12213032(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12213032/)を加工して作成
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=90201326
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12213032/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)