タイトル(掲載誌)平成5(1993)年度 科学研究費補助金 奨励研究(A) 研究概要 = 1993 Research Project Summary
一般注記金沢大学理学部
本年は、2字元「星型」特異点解消をもつクラスのL^2-plurigenusについての比較不等式と、2字元2重点のミルナ-数muと幾何種数p_gについて次の結論を得た。1。(V,p)を2次元"star-shaped"resolutionを持つ特異点,psi:(X,A)→(V,p)を"star-shaped"特異点解消とする。central curve Eにおける消滅位数によって局所環Ov,_pに標準的な(巡回特異点をのぞいて)idealによるdecreasing filtration F={F^k}with F^k=psi_*(Ox(-kE))が定まる。Fのassociated graded ringの正規化は、例外集合Aのdual graphよりPinkham-Demazureの方法で定まる次数付き特異点Spec(R(E,D))となる(泊-渡辺)。両者のL^2-plurigenus{delta_m}には、delta_m(V,p)【less than or equal】delta_m(Spec(R(E,D)))(^∀m【greater than or equal】1)なる関係がある事が指摘されていた(渡辺公夫)が、ここでは完全な証明を与えると同時に、その誤差項をlocal cohomologyに関連する量で記述した。特に、(V,p)がGorensteinである場合には、誤差項がmに依らない事を示した。chk=0の場合に、Gorenstein"star-shaped"singularityが、次数付きなものとequi-singularであろうという予想については、p_gのみの誤差が本質的である事を示すものであり、ひとつの前提である。chk>0についてはGorensteinであっても誤差が生ずる例は泊-日高によって構成されている。また、高次元の場合には同様の比較不等式はまだ知られていない。2。2重点のミルナ-数muと幾何種数p_gの関係式については,8p_g+1【less than or equal】muをしめした方法を押しすすめて、更にp_a=1(Wagreichの意味で楕円型)の場合に12p_g-3【less than or equal】muであることを示した。これは、S.S-T.Yau-Xuの結果の別証明になっている。我々の議論でのkeyは、特異点解消過程のbranch locusにあらわれるevencurveの個数の制限が、解消過程を非常に制限するということである。
研究課題/領域番号:05740014, 研究期間(年度):1993
出典:研究課題「複素特異点の例外集合と不変量」課題番号05740014(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05740014/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60383&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/ja/search/?kw=60183878
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05740014/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)