タイトル(掲載誌)平成5(1993)年度 科学研究費補助金 一般研究(C) 研究課題概要 = 1993 Research Project Summary
一般注記金沢大学理学部
森林が大気中に放出された汚染物質をどの程度捕捉する能力があるかを定量的に把握することを目的に、大気中に常に存在し、しかも森林生態系を含めた一般環境でほぼ定常状態にあると考えられる天然放射性核種(Be-7,Pb-210)をプローブとして以下の基礎研究を実施した。(1)当研究施設屋上で、大気浮遊塵を年間通じて採取し、Be-7とPb-210を測定して月毎のこれら核種の積算大気中濃度を評価した。(2)乾性および湿性沈着によって地表にもたらされる降下量を当研究施設屋上で別々に採取して、それぞれについてBe-7とPb-210降下量を測定した。その結果、(1)月間積算大気中のBe-7とPb-210濃度は、1.8-7.1と0.38-1.2mBq/m^3.monthであった。(2)一方、Be-7とPb-210の月間降下量は、湿性沈着の場合は、167-1000と23-136Bq/m^2.month,乾性沈着の場合は、7.3-63と1.5-14Bq/m^2.monthであった。得た結果を用いて湿性および乾性沈着速度を評価するとBe-7とPb-210とでは大きな差はなく、湿性沈着速度は1.1-6.2cm/s、乾性沈着速度は0.05-0.5cm/sであった。これらの値はこれまでに報告されてきた値と矛盾しないが、特に冬場の沈着速度が夏場のそれと比べて4-5倍大きくなることが明らかになった。現在、種々の地点から採取した森林土壌についてBe-7とPb-210を測定しており、今後継続してこの課題を検討していく。
研究課題/領域番号:05680444, 研究期間(年度):1993
出典:研究課題「天然放射性核種をプローブとする森林生態系の物質動態の研究」課題番号05680444(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05680444/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60467&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=10121295
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-05680444/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)