タイトル(掲載誌)平成19(2007)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究課題概要 = 2007 Research Project Summary
一般注記金沢大学がん研究所
メラノーマは色素細胞系譜から発生する悪性腫瘍であるが、そのもととなる色素細胞の幹細胞を同定し、その維持において周囲の微小環境ニッチが色素幹細胞運命の決定に重要であることを示してきた(Nature 2002)。これまでのがん幹細胞研究では腫瘍から取り出したがん細胞やがん細胞株を免疫不全マウスに移植してがん幹細胞性を評価しているが、同種または異種の免疫不全マウスの皮下という、がん病巣内の環境や発生母地からも全く異なる環境へと人為的に移植されて評価している点で、環境依存性という大きなバイアスがかかっている。さらに、既知のメラノーマの動物モデルでは、腫瘍細胞は真皮において増殖し、実際のヒトでみられる表皮内での特徴的な広がりや腫瘍細胞の胞巣形成やメラノーマ細胞の浸潤は認めず、組織学的にはヒトのメラノーマとはほど遠い。そこで、ヒト型の皮膚をもつマウス(:K14-SCF tg)に変異型Rasを色素細胞特異的に発現するtransgeneを導入し、さらに、Ink4aおよびArfがん抑制遺伝子の欠損アレルの導入により、自然発症かつヒトのメラノーマに酷似する像が得られるのかどうか検討中である。Ink4aおよびArfがん抑制遺伝子の代わりにP53の欠損導入にて生後2-3ケ月頃より急速に増大するメラノーマの発生を確認している。また、色素細胞系譜のマーカーにて色素細胞の分布を示すことにも成功した。(本萌芽研究は、平成19年度の若手研究Sへと移行することになったため、約半年間にて中止となった。)
研究課題/領域番号:13555218, 研究期間(年度):2001-2007
出典:研究課題「ヒト型マウス皮膚を用いた新規メラノーマモデルの開発とがん幹細胞の同定への応用」課題番号19659282(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19659282/)を加工して作成
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=70396331
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19659282/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)