タイトル(掲載誌)平成16(2004)年度 科学研究費補助金 特定領域研究 研究課題概要 = 2004 Research Project Summary
一般注記金沢大学自然科学研究科
我々はこれまでDDB (DDB1/DDB2ヘテロダイマー)がヌクレオチド除去修復の促進因子として働くことを示してきたが、最近このDDBがユビキチン・プロテアソーム系にも関与することが示されており、本研究でもヌクレオチド修復の調節や修復以外におけるDDBの機能に視野を広げて解析を行った。具体的には、作製したDDB1特異的モノクローナル抗体を用いてDDB1の細胞内局在性を調べるとともに、DDB1とDDB2を各々ドキシサイクリン存在下で過剰発現する細胞株を樹立し、各サブユニットを過剰発現させたときの細胞への影響を検討した。その結果、抗DDB1モノクローナル抗体による免疫染色像は、主に細胞質に局在するという従来の過剰発現細胞を用いた報告とは異なり、核内でドット状の局在を示した。また、この染色像はDDB2遺伝子に変異をもつXP-E細胞、およびDDB2の発現が抑制されているチャイニーズハムスター細胞でも観察されることからDDB2に非依存的であることがわかり、他の因子の関与が考えられた。また、核の一部に局所紫外線照射を行うとこのドットはDNA損傷部位に集積し、この反応はDDB2に依存していた。一方、DDB1を過剰発現させた細胞ではドット状の染色像は見られず、多くは細胞質のみが強く均質に染色された。興味深いことに、このDDB1過剰発現細胞株は増殖能やコロニー形成能に著しい抑制が見られ、一部の細胞ではアポトーシス誘導が観察された。さらに、ヌクレオチド除去修復能には顕著な影響は認められなかったが、過剰発現時に細胞内のc-Jun量が顕著に増加し、またリン酸化体も増加していることがわかった。以上の結果より、DDB1がc-Junの活性調節およびアポトーシスにも関与する可能性が示唆された。
研究課題/領域番号:13555218, 研究期間(年度):2001-2012
出典:研究課題「ヌクレオチド除去修復反応の細胞内調節機構に関する研究」課題番号12143202(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12143202/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60484&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=60192340
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-12143202/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)