タイトル(掲載誌)平成20(2008)年度 科学研究費補助金 萌芽研究 研究課題概要 = 2008 Research Project Summary
一般注記金沢大学医学系
人口の高齢化に伴い,高齢者の健康増進や予防医学への積極的な取り組みが国策の一つとなり,健康寿命の延伸を目指した長寿科学研究が待望される時代となった.このような背景のもと,中高年男性の生活の質が問われており,その一環としてアンチエイジング医療が脚光を浴びている.本研究の独創性および斬新性は,ナノテクノロジーを活用して開発された低侵襲型バイオ診断チップシステムを,中高年男性の健康度を規定しうる,1)加齢男性性腺機能低下症候群,2)心身ストレスに起因する男性更年期障害,3)前立腺癌をはじめとする前立腺疾患,に対する診断・鑑別に応用し,自宅で施行可能な簡便・迅速なセルフスクリーニングにある.これらの疾患の早期発見・早期治療が可能になれば,健康な長寿社会の実現を指向するアンチエイジング医療の発展に多大な寄与が期待される.我々はこれらのニーズに合致したバイオ診断チップの開発をすすめ,2年間で以下の成果を得た.1. 従来のイムノクロマトセンサーに,被検物質に対する抗体を配置したチップを作製するとともに,高感度化を実現するために,金ナノ粒子,クロマト担体材料などの選別,最適化を検討し,高感度イムノクロマトテストストリップを試作した.2. イムノクロマトテストストリップは,基本的には目視で測定結果が判定可能であるが,判定結果に客観性を持たせる必要がある.そこで,テストライン上の色をRGB値として解析できるイムノクロマトリーダーを開発した.3. 当該疾患を効率よく診断するための分子マーカー・抗体の探索・同定・精製を試みた.試作したPSA,コルチゾール,テストステロンに対するテストストリップの検出感度は数ng/mlで,イムノクロマトリーダーを用いることで定量的測定が可能であった.4. 本システムの汎用性,拡張性を示すために,アンチェイジングドックに組み込まれている,メラトニンやフリーラジカルを検出するイムノクロマトテストストリップの作製も予定していたが,2年間という短期間では実現に至らず,今後の検討課題とした.
研究課題/領域番号:19659409, 研究期間(年度):2007 – 2008
出典:研究課題「ナノバイオテクノロジーを応用した中高年男性の健康度診断チップシステムの開発」課題番号19659409(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19659409/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60523&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=70155985
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-19659409/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)