タイトル(掲載誌)平成22(2010)年度 科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 研究課題概要 = 2010 Research Project Sumary
一般注記金沢大学数物科学系
本研究は血管、頭蓋内部の力学的構造解析を行うことを目標としていた。人体パーツを膜、流体、多孔体、弾性体などに粗視化・分解し、それらが相互に接着している構造としてとらえ、力学的刺激に対する応答を調べ得るモデルを構築することを目指した。衝突・剥離を数学的に扱う場合、双曲型自由境界問題が出現する点に特徴がある。研究の始めとして双曲型自由境界問題と放物型自由境界問題の理論作りに注力し解の存在定理や数値解析方法についていくつかの結果を得た。これをキーにして連続体力学などと連成することにより複雑な内部構造を持つパーツの力学的解析を行う方向へと研究を広めた。流体力学では粒子法についての改良を行った。粒子の運動エネルギーが数値粘性などでロスする分をストカステックな擾乱を加えることで回避した方法論である。現在プレプリントにまとめ発表準備中である。また、連成解析には変分法に基づく離散勾配流法を用いることを検討してきたが、この方法によって体積保存問題の解を構成することに成功し数値解析例を得た。これも発表準備中である。さらに、自由境界がある場合の取り扱いにもある程度の成功を収めた(近似解の存在と数値解法の有効性を確かめた)。時間依存する力学的関係を満たす自由境界条件は動的となり数学的取り扱いが難しかったがこの方向性もつけることができた。数学的視点に立つと、本研究は解に特異点を含む諸問題、その中でも問題の特性から考えて特異点が本質的な意味を持つ衝突・剥離現象の解の挙動に焦点を当てて、その時間発展問題を総合的に取り扱うこと方向性を示したといえる。
研究課題/領域番号:21654013, 研究期間(年度):2009 – 2010
出典:研究課題「衝突・剥離現象の数理解析と医学への応用」課題番号21654013(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21654013/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60546&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=20214223
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-21654013/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)