タイトル(掲載誌)平成4(1992)年度 科学研究費補助金 一般研究(C) 研究課題概要 = 1992 Research Project Summary
一般注記金沢大学医学部・附属病院
覚醒犬を用い、Substance P(SP)の冠抵抗血管に対する一過性拡張作用に引き続く持続性の収縮作用の機序について検討した。1、nicardipine(100μg,iv)とisosorbide dinitrate(5mg iv)はいずれもSP(5ng/kg/min,iv)投与下で、SP投与前と同程度に冠血流量(CBF)を増加させた。今回用いた濃度のSPによる冠抵抗血管収縮作用は、外因性硝酸薬の拡張作用を制限せず、L-type Caチャンネルに非依存性である可能性が示唆された。2、Captopril(C)(5mg/kg,iv)投与前後でSP(5ng/kg,iv)の作用を比較した。C投与前、SPによりCBFは10.1±1.6kHz(mean±SE)から21%減少し、冠血管抵抗(CVR)は8.13±1.93mmHg/kHzから29%増加した。C投与後、SPによりCBFは9.2±2.0kHzから22%減少し、CVRは7.29±1.06mmHg/kHzから36%増加した。いずれの変化度にもC投与前後で差はなく、SPの冠抵抗血管収縮作用にangiotensin2は大きな役割を果たしていない可能性が示唆された。3、L-N^G-monomethyl-arginine(LA)(30mg/kg,iv)投与前後で、SP(5ng/kg,iv),acetylcholine(Ach)(3μg/kg,iv)の効果を比較した。LA投与前、AchによりCBFは9.9±2.3kHzから200%増加し、CVRは7.91±3.98mmHg/kHzから71%減少した。LA投与後ではAchによりCBFは8.6±1.8kHzから178%増加し、CVRは9.63±5.50mmHg/kHzから66%減少した。このような状況下でLA投与前、SPによりCBFは13.2±0.0kHzから21%減少し、CVRは4.02±0.23mmHg/kHzから29%増加した。LA投与後ではSPによりCBFは10.3±1.5kHzから27%減少し、CVRは5.79±2.06mmHg/kHzから39%増加した。SPの冠抵抗血管収縮作用には一酸化窒素を本体とする内皮由来弛緩因子は一部関与している可能性はあるが大きな役割は果たしていない可能性が推察された。
研究課題/領域番号:04670525, 研究期間(年度):1992
出典:研究課題「P物質による冠動脈抵抗血管収縮における内皮由来弛緩因子とアンギオテンシン2の役割」課題番号04670525(KAKEN:科学研究費助成事業データベース(国立情報学研究所)) (https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04670525/)を加工して作成
一次資料へのリンクURLhttps://kanazawa-u.repo.nii.ac.jp/?action=repository_action_common_download&item_id=60627&item_no=1&attribute_id=26&file_no=1
関連情報https://kaken.nii.ac.jp/search/?qm=40164347
https://kaken.nii.ac.jp/ja/grant/KAKENHI-PROJECT-04670525/
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)