一般注記高速増殖炉の冷却系より液体ナトリウムが漏えいした場合、鉄鋼製周辺構造材料の腐食はナトリウム酸化物と構造材料の主要元素である鉄の複合酸化物形成によって進行することが多い。このため、腐食機構の詳細な解明や、腐食制御および防止対策を効果的に施すためには主要なNaFe複合酸化物の化学熱力学的データを整備することが必要である。本研究では、$\alpha$-NaFeO2の生成実験と熱特性試験を実施した。これにより、以下の結果が得られた。1、市販されていない$\alpha$-NaFeO2について、$\alpha$および$\gamma$-Fe2O3とNa2Oとの混合物をSUS密閉容器を使用して高純度で生成する方法を確立した。また、熱分析装置(DSC)の併用により生成過程の詳細についても検討し600$^{\circ}C$、10時間加熱により$\alpha$-NaFeO2が生成することを確認した。2、生成した$\alpha$-NaFeO2および市販の$\beta$-NaFeO2について室温・大気中でも安定であることを確認し、大気中でのNaFeO2の取扱が容易であることがわかった。3、生成した$\alpha$-NaFeO2の熱分析測定(TG-DTAおよびDSC)により、転移温度は767.4$\pm$6.5$^{\circ}C$、転移熱は16.41$\pm$0.45cal/gさらに分解温度は1254.9$\pm$4.4$^{\circ}C$,分解熱は$\sim$20cal/gと評価した。
一次資料へのリンクURL/JNC-TY9400-2001-006.pdf/ comment:fulltext
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System