一般注記本シンポジウムは,核燃料サイクル開発機構(JNC)が地層処分研究開発の基盤となる研究,すなわち地層科学研究の一つとして進めている「地質環境の長期安定性に関する研究」について,これまでの学術的成果物を関係各所の専門家に紹介し,広く情報を共用・活用して頂くとともに,合せて,天然事業の将来予測研究の今後の方向性と研究課題について討論して頂くことを趣旨として開催してものです。東京都立大学名誉教授の貝塚爽平先生(故人)は,1985年に日本学術会議第四部第四紀研究連絡委員会と日本第四紀学会の主催により開催されたシンポジウム「百年・千年・万年後の日本の自然と人類-第四紀研究にもとづく将来予測」(その内容は1987年に同じ表題にて古今書院より本として出版)のなかで「過去は現在および未来を解く鍵である」という名言を残され,過去の傾向や周期性から将来予測は可能であることを述べられました。過去の地球史の解明を目的とした研究であった第四紀研究が,将来予測の科学的研究の基盤となりえることを示したこの言葉に励まされ,JNCは平成4年に外部専門家からなる「地層科学研究検討会」と,その下に「地震・断層検討部会」,「隆起・沈降検討部会」,「火山検討部会」,「気候・海水準変動ワーキンググループ」を設けて研究を進めてきました。しかし,「地質環境の長期安定性に関する研究」として将来予測研究に取り組みはじめた当初,天然事象に関するデータの不足を痛感致しました。そこで,多くの大学及び研究機関の研究者のご指導・ご協力を得て,地質データベースの整備を進めてきました。それらの成果として,火山に関する研究においては「日本の第四紀火山カタログ」,隆起・沈降に関する研究においては「日本の海成段丘アトラス」,断層に関する研究においては「200万分の1日本列島活断層図」等が編纂され,JNCはそれらの成果を活用し,地層処分研究開発第2次取りまとめ(2000年レポート)に反映することができました。本シンポジウムでは,セッション1「我が国における天然事業研究の現状」として,大学等の研究者から日本列島の過去を対象とした研究についてご紹介頂き,セッション2「調査機関における研究の現状」では,国立研究機関等の第一線の専門家から日本列島の現在を対象とした研究等についてご紹介頂きました。そして,セッション3「パネツディスカッション」に
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一次資料へのリンクURL/JNC-TN7400-2000-003.pdf (fulltext)
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System