一般注記コールドクルーシブル誘導溶解法(以下CCIM)の放射性廃棄物処理への適用の一環として、溶融性能向上を目指し、スリット数16を有するステンレス(以下SUS)製クルーシブルによるガラス溶融試験を実施した。模擬廃棄物ガラスとして、P0935、PF-N10ガラス(動燃ガラスコード)を用いた。P0935ガラス溶融試験では、SUS製クルーシブルを用いた場合、陽極電力が7.9$\sim$31.8kW,表面温度は793$\sim$1508$^{\circ}$Cであり、インコネル製クルーシブル(陽極電力16.7$\sim$22.0kW、表面温度1170$\sim$1291$^{\circ}$C)に対し、溶融運転可能な範囲が拡大した。また熱収支は、陽極電力22kWで比較すると、SUS製クルーシブルでのガラスの発熱割合は陽極電力に対し21.9\%であり、インコネル製クルーシブル17.9\%に対し、陽極電力に対する発熱割合は1.2倍となった。PF-N10ガラス溶融試験では、インコネル製クルーシブルで溶融が継続できなかったのに対し、SUS製クルーシプルの場合は溶融が可能であった。SUS製クルーシブルでは陽極電力が35.5$\sim$50.0kW、到達温度は1352$\sim$1483$^{\circ}$Cであった。また熱バランスは、陽極電力が35.5$\sim$50.0kWの範囲では陽極電力に対するガラスの発熱割合は13.3$\sim$16.4\%であった。さらに、SUS製クルーシブルを用いたPF-N10ガラスを対象とした溶融試験において、熱流動解析検証用データ取得のため、内部温度・表面流動を調査した。径方向の内部温度は表面温度と同じ分布傾向であり、中止から25mm位置より外側に温度ピークが存在し、表面と内部の温度差は11$\sim$122$^{\circ}$Cであった。また観察された表面流動はすべて中心方向へ向いており、中心から21mm位置で流速は1.0$\sim$1.6mm/秒であった。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System