一般注記再処理施設等の核燃料施設から大気中に放出される気体状の放射性廃棄物は、地表に栽培されている植物の葉面吸収によって植物体内にとりこまれるとともに,土壌表面への沈着によって,土壌中の植物の根を経由しても植物の可食部に移行することになり,最終的には一般公衆の線量当量に結びつくこととなる。これまでの動燃事業団および日本原燃の再処理施設の安全審査においては,一般公衆の線量当量評価の際に,地表沈着した放射性物質の放射性壊変による減衰は考慮されているが,降雨等による土壌からの流亡による放射性物質の現象の効果は,評価に取り入れられていない。ここでは、地表面に沈着した放射性物質の経根移行の評価をより合理的なものとするための基礎研究の一環として,これまで行ってきた土壌中の物質移動に関する調査研究の結果を整理して報告する。報告の内容は,土壌中の物質移動に深い関係を持つ土壌の物理・化学的性質およびこれらの諸性質を考慮して組み立てられた土壌中での水移動および物質移動に関する基礎理論であるが,気体および熱移動などの関連する事項についてもその基礎的な内容を整理して報告する。また,土壌中で引き起こされる水移動を,すなわち水に伴う物質移動を,土壌-植物-大気系の水循環の一環として捕らえるSPAC(Soil-Plant-AtmosphereContinuum)モデルについてもその概要を報告する。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System