一般注記核燃料サイクルの開発の方向性について、核不拡散や環境負荷低減、経済性の向上といった観点で課題が提起されている。現時点で最重要の課題とされる高い経済性を達成するために、PUREX法再処理のプロセス開発においては、目標とする除染係数を設定する作業が不可欠である。本検討では、低除染を指向する酸化物燃料-高速炉の体系を対象とし、PUREX法再処理の抽出工程を最適化するため、主に再処理の視点から種々の制約条件を整理し、目標とする分離条件を評価した。また、U及びPu製品のFP除染について線量評価を行い、FBR照射燃料から回収する製品に関して以下の特徴があることを見いだした。・U及びPu製品についてそれぞれ106、105以上の除染係数が得られれば、線量に対するFPの寄与は無視できる。・U製品は$^{232}$Uの寄与による線量の増加のために既存のU加工施設での取り扱いが難しい。・Pu製品の線量は軽水炉回収のPuよりもやや低い($^{241}$Amの寄与が小さい)。これらの評価に基づき、暫定的ではあるが回収製品の仕様を求めた。仕様の概略は以下の通りである。(1)Pu・Np・U混合製品U:Pu比1$\sim$2:1(溶解液から予備的に一部のUを分離しない場合)FPに対する除染係数1000(ただし詳細な検討要)(2)U製品(燃料として再加工する場合)FPに対する除染係数1000(ただし詳細な検討要)$\alpha$汚染許容(3)回収率U,Pu,Np99.9\%以上(再処理工程での廃棄物への移行量を0.1\%未満とする)これらの製品をリサイクルするには、再処理以後の工程において遠隔により燃料製造を行う等の設備対応が前提となる。除染係数の詳細な検討には、原子炉や燃料製造側との連携を図り、燃料サイクルを総合的に評価する作業が必要である。今後は、これらの仕様を満たす単一サイクル工程の抽出フローシートの検討を進める。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System