一般注記CPFでは,これまでに「常陽」MK-I,MK-IIおよび海外炉照射済燃料等を対象とした多数のホット溶解試験を実施し,高速炉使用済燃料再処理に関する基礎的なデータを取得してきた。これらの結果をふまえて,今回の第18回試験では仏国「Phenix」炉で照射された平均燃焼度が94,000MWd/tの高燃焼度燃料を対象として,高硝酸濃度(8M)条件下において溶解温度を主な試験パラメータとした合計2回の溶解試験を実施した。以下にその概要を示す。1.溶解速度に与える溶解温度の影響高硝酸濃度条件下においても溶解速度は溶解温度に依存し,温度の上昇に伴い速くなる。しかしながら,沸点より5$^{\circ}C$程度低い温度以上では逆に溶解速度の低下が観察され,既往文献に報告されているウラン溶解挙動と同じ傾向を示すことが確認された。2.不溶解性残渣の発生率本試験結果とこれまでのCPF試験結果を併せて評価した結果,燃料燃焼度の上昇に伴って不溶解性残渣の発生率も増加する傾向にあることが見出された。また,これまでの溶解試験で回収した残渣と燃焼度をパラメータに算出した残渣成分元素(Mo,Tc,Ru,RhおよびPd)の生成量との比較・評価を行った結果,計算値に対して約20\%から100\%が残渣として回収されている。なお,本報告書は使用済燃料再処理工程のうちのせん断・溶解・清澄試験に関するものであり,これ以降の工程に関する試験結果については別途報告することとする。
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一次資料へのリンクURL/PNC-TN8410-95-056.pdf (fulltext)
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System