一般注記国内で開発された装置(HGP-Perm-10)を用いて、東濃鉱山正馬様洞AN-1号孔において、深部地下水の採水、水質計測、成分分析及び水理特性を測定し、地下深部の水理特性・地化学特性データの蓄積を図った。採水、水質計測は深度540.5$\sim$560.5mの1区間で行い、総採水量は最終的に944lに達した採水期間は10日間に及び、得られた原位置センサーによる水質計測結果は、水温28.3$^{\circ}C$、pH6.3、ORP-430mV、電気伝導度1890$\mu$S/cmであった。フローセルセンサーによる地上での水質計測結果は、pH6.4、ORP-280mV、溶存酸素濃度0.25mg/l(換算値)であり、電気伝導度は不具合が発生し、正しく計測できなかった。また成分分析結果からは、Caと重炭酸イオンが多く、浅層地下水によく見られる水質を呈していた。また、$\delta$D,$\delta$18Oの分析値は当該地域の地表水と地下水との中間的な値であった。水理特性試験は(1)947$\sim$951m(2)948$\sim$952m(3)946$\sim$950m(4)540.5$\sim$544.5m(5)277.5$\sim$281.5mで実施された。水理特性試験の内容は初期間隙水圧測定、定常注入試験、非定常試験であった。初期間隙水圧測定は水晶式圧力センサを用いて実施され、91.92$\sim$26.29kgf/cm2の範囲の測定結果が得られ、深度に応じてほぼ静水圧分布していることがわかった。定常注入試験では、有効注入圧力と流量データの良好なリニアリティが得られ、4$\times$10-8$\sim$7$\times$10-6cm/secの3オーダー弱の範囲の透水性を評価することができた。また非定常試験では、定流量ポンプにより1$\sim$11cc/minの範囲で一定流量制御がなされ、0.013$\sim$0.28md( 1$\times$10-8$\sim$3$\times$10-7cm/sec)の範囲の浸透性を評価することができた。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System