一般注記計測線付C型特殊燃料集合体PFI010(INTA-1)は、「常陽」MK-II炉心装荷位置5F2おいて、100MW第8サイクルから第12サイクルの間照射された。集合体平均燃焼度は32,200MWd/t,集合体平均中性子照射量は3.2$\times$10の22乗n/平方cm(E$>$0.1MeV)である。計測線付C型特殊燃料集合体の照射試験の目的は、計測センサー,信号ケーブル,コネクター及び計測器などの計測系の照射下での性能確認、及び「もんじゅ」燃料仕様の燃料要素を含む燃料要素を集合体形式で計測照射することにより、集合体の熱流力特性及び燃料,材料に関する経時データを取得し、「もんじゅ」設計手法の検証,挙動解析コードの改良に資することである。ADS全相セルでは、中空ペレットと中実ペレットの燃料組織変化挙動及び、計測センサー,信号ケーブル等の健全性を調べるために組織観察と機器分析を実施した。本試験により以下の結果が得られた。(1)燃料の組織変化は顕著に生じており,中心空孔の生成,柱状晶の発達が認められた。中空ペレットの内径も増加した。(2)SXMAによるXe,I,Csのペレット径方向濃度分布測定の結果、それらの径方向分布は類似しており、組織変化を生じているペレット中央部での放出が認められた。(3)SXMAによるU,Puの径方向分布測定により、Puの再分布が確認された。中空ペレットでは中心空孔端で、製造時の29.55\%から34.23\%にまでPuは増加していた。(4)SXMAによる分析の結果、熱電対素線の組成は、W-26Re合金において照射前のW濃度74.61wt\%から、照射によりW濃度が54.5wt\%と77.6wt\%の2相共存となり、$\sigma$相とW-richな固溶体に相分離した可能性がある。一方,W-5Re合金の組成は均一であるが、表面は不均一に侵食されている。また、照射によるW-Reの核変換におけるOsの生成量は、分析値と計算予測値がよく一致した結果となった。(5)IMAによる中性子検出器の中性子照射量の測定において測定値は計算値とよく一致した結果となり、本手法を用いて評価可能であることがわかった。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System