一般注記本試験は高レベル廃棄物地層処分技術開発の一環として実施されたものであり,第2段階の処分予定地の選定に係わる既存空洞を用いた試験・研究の第2年度にあたる。 本年度は昨年度開削した空洞内に認められる割れ目を対象として割れ目トレーサ試験および模擬廃棄物固化体の埋設試験と環境調査を実施した。各調査・試験の実施内容および成果の概要は次の通りである。 新規開削空洞(B空洞)に認められる割れ目を対象として35日間継続して割れ目トレーサ試験を行った。注水孔6孔に注水し,その約30cm下部のトレーサ注入孔3孔よりトレーサ液を注入して採水孔15孔に流出する液量とトレーサ濃度および水質測定を実施した。その結果,流出の認められたのは1孔のみであった。また,各孔への流出量は大きな増減を示した。トレーサ濃度は試験中期でほぼ原液濃度に近い値となったが,試験終了時には低くなった。また,トレーサが割れ目とともに岩盤内をも移行していること,水質測定からは岩盤内の移行により水質が変化すること,溶存酸素濃度は測定範囲においてはpH,Ehに影響を与えていないことがわかった。 模擬廃棄物固化体の環境調査においては,埋設孔により補給量が異なること,Ca-SO4型の水質を示したこと,埋設孔内水のpHは3.8$\sim$7.6,Ehは+0.2$\sim$+0.6Vの範囲であったことがわかった。1年埋設金属試験体分析からはSUS304,純チタン,ハステロイC-276に腐食生成物は認められず,軟鋼,無酸素銅にはそれぞれF-3O4,$\epsilon$-F-2O3,$\alpha$-F-O・OHとC-4SO4(OH)6・H2Oが腐食生成物として認められた。
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一次資料へのリンクURL/PNC-TJ4211-87-001VOL1.pdf (fulltext)
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System