一般注記「常陽」MK-1炉心燃料集合体PPJX12(集合体平均燃焼度約38,900MWD/MTM)は、「常陽」MK-1炉心の高燃焼集合体であるとともに、高速炉燃料集合体の水プール保管技術のR\&Dの一環として、ナトリウム洗浄不足状態で水プール保管試験に供されたものである。照射燃料試験室(AGS)では、1)高燃焼度集合体の照射挙動データの充実、2)水プール保管が被覆管に与える影響を調べることを目的として、6本の燃料ピンを対象に、金相試験(燃料組織及び被覆管組織観察)、被覆管硬さ測定、被覆管密度測定、及び燃焼率測定を実施した。その結果、以下の内容を確認した。(1)燃料組織は、コア燃料部の軸方向全域でペレット中央部にガスバブル領域が観察された。これにより軸方向上部及び下部の燃料温度が計算値より約300$^{\circ}C$高かったものと推定される。(2)FCCIは、粒界腐食が観察され最大12$\mu$mであった。(3)軸方向上部の被覆管内面組織は鋭敏化が進んでいる。(4)被覆管外表面の組織には異常がなく、水中長期保管の影響は見られなかった。(5)被覆管の硬さ変化は、軸方向中央部が一番効果しており、上端部では照射前と同程度の値になっていた。また温度と硬さ変化の関係では、照射温度上昇に伴ない変化量は直線的に減少し、メーカ間の差はない。(6)被覆管密度変化は、最大で0.24\%の増加を示していた。(7)燃焼率の実測値は、コア燃料部で4$\sim$14\%JYHIST計算値より大きな値を示した。(8)燃焼率の径方向分布については、実測値はJYHIST計算値の分布に比べて、緩やかな減衰曲線となっている。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System