一般注記Rapsodie PNC-5(1)(2)(3)は、「もんじゅ」型被覆管及び燃料の高燃焼度時の照射挙動を把握するために照射されたものであり、「もんじゅ」炉心の目標最高燃焼度に匹敵する125,000MWD/MTMの燃焼度である。仏国より返送された7本の燃料ピンを対象に照射後試験を実施した。照射燃料試験室で担当した破壊試験(金相、被覆管硬さ、被覆管密度及び燃焼率測定)により以下の結果を得た。(1)燃料組織は、Rapsodie PNC-4(128,000MWD/MTM)と比較して同程度の組織変化を示しているが、柱状晶領域内の結晶粒の大きさにバラツキが見られ、粒内に微小なボイドが多数存在する。(2)4Kピンの金相縦断面写真では多数の径方向クラックが観察されており、これが燃料カラム長増大の原因となったと考えられる。(3)4Kピン被覆管外表面に、グリッドによるものと推定されるフレッティング傷が認められた。(4)FCCIの最大値は約66$\mu$m(腐食形態は粒界腐食)であった。(5)被覆管組織は、被覆管内面側の結晶粒界及び双晶領域に炭化物が多く析出しており、鋭敏化が進んでいると考えられる。(6)被覆管硬さ値は、全て照射前より軟化していた。硬さ値と照射温度の関係は、550$^{\circ}C$までは温度の上昇とともに硬さ値が大きく低下するが、それ以上ではあまり変化しないことを確認した。(7)被覆管密度は、K材、S材ともスウェリングが見られ、密度変化の最大値は2.55\%であった。またS材はK材に比べて同じ中性子照射量でのスウェリングが大きかった。(8)燃焼率測定の結果と仏国側の燃焼度報告値は良い一致をみており、仏国側報告値が妥当であることを確認した。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System