一般注記地層処分技術開発の第2段階は,技術の具体化を進める段階であり,フィールドにおいて行う調査・試験が非常に多い。これらの調査・試験でも最も汎用される機器に,岩盤の力学挙動や特性を把握するための「岩盤計測機器」があり,天然バリアの調査・評価で最も重要な機器として,岩盤内深部地下水を調査・観測するための「地下水検層装置」がある。本研究では,岩盤計測機器およず地下水検層装置を開発し,機器の現場適用化とデータ評価技術の向上に努めた。岩盤計測機器の内,地圧計には,高温下で十分な性能を有する機種は実用化されていなかった。そこで,昭和59年度より継続して高温用地圧計を開発し,200$^{\circ}C$までの高温環境下で使用可能な硬岩用地圧計を完成した。深地層試験で岩盤計測機器を用い,データを確実に入手するためには,事前に現場適用試験を実施し,機器の諸性能を実証すると共に,データ評価技術を確立しておく必要がある。本年度は,現場適用試験の第1段階として,数種の地圧計,ひずみ計を用いて,坑道掘進に伴う岩盤挙動を計測し,各測定器の適用性について検討した。地下水検層装置に関しては,地下深部の地下水の水圧測定,水質測定とサンプル採取が可能な機種の開発を目指し,昭和59年度に,装置の基本設計を実施し,センサーの購入,ケーブルの製作,プローブヘッドの試作等を行った。本年度は,プローブヘッドの製作と耐圧性能等の確認を行い,測定プローブを完成させた。次年度に,地上巻取装置や制御装置を設計,製作すれば,地下水検層装置は完成する。今後は,装置の開発と共に,早期に現場適用化を図り,地下水流動調査システムの向上と,わが国の深部地下水データの蓄積に努力すべきである。
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System