一般注記「ふげん」の運転条件を模凝(温度,圧力,および流動条件)した試験を実施して来たコンポーネント・テストループは,炭素鋼配管で作られているため,配管材の防食を考慮して,循環水の水処理はオールボラタイル処理が適用されている。今後,部品機器試験室では「ふげん」および実証炉のための腐食耐久試験を実施して行くことからコンポーネント・テストループの水処理を「ふげん」および実証炉の一次冷却水と同じ中性処理にする必要がある。しかしながら,炭素鋼配管プラントヘの中性処理の適用経験が日本には全くないため,我々は,独自に若干の改造を加えながら,コンポーネント・テストループヘの中性処理適用試験を実施し,次のような結果を得ると同時に,今後の中性処理運転のために種々の検討を行なった。1.定常運転時におけるテストチャンネル入口の水質として,電導度0.3$\mu$s/cm,溶存酸素濃度150ppb,pH6.25,全鉄2.5ppb,全銅15$\sim$20ppb,UV値0.005を得た。この値は「ふげん」一次冷却水の水質にきわめて近いものであり,コンポーネント・テストループを用いて,「ふげん」水質の模擬運転が可能であることが明らかとなった。2.中性処理による炭素鋼配管の腐食は全鉄2.5ppbから判断すると非常に少ないことが明らかとなった。この値は,オールボラタイル処理の時の値に比べ1/4$\sim$1/2に減少しており,中性処理が炭素鋼配管の防食処理として,きわめてすぐれていることを示している。3.コンポーネント・テストループ内に銅,SiO/2および有機物の蓄積が確認された。これら蓄積物の除去方法を検討すると同時に有機物については有機物名の確認分析および混入ルートについて調査した。4.鉄,銅および銅合金の腐食試験を行なった結果,中性処理水中では鉄に比べ,銅および銅合金の腐食量は
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連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System