一般注記本研究の狙いは,日本の花崗岩体における地層処分に関するリスクの予備的解析を行い,その結果の考察により,日本における地層処分の問題領域を検討するものである。今年度の作業は,前年度に引き続き,次のような作業を行った。すなわち,(1) 放出シナリオに関する調査研究(2) 処分場近傍における熱影響の解析手法の検討(3) 放出増大事象による放出影響解析(4) 不確定性の検討(5) EC諸国におけるリスク解析の現状調査本文は,5章と2つの付録からなっている。まず第1章では,地層処分のリスク解析の意義を述べた後,地層処分のリスク解析作業の特徴と既往の知見をまとめ,本研究の狙いと採用するアプローチを示している。また,この三年間(53年度$\sim$55年度)の作業において形成された地層処分のリスク解析に対する認識や考え方も取りまとめている。第2章は,欧米諸国の文献により,処分場の閉鎖後,処分場から放射性核種が放出されるシナリオの分析の現状を調査し,その問題点や限界を考察するとともに,その研究の方向を把握しようとするものである。第3章では,高レベル放射性廃棄物の地層処分に関すりリスク解析を実施する上で,必要な処分場およびそれをとりまく花崗岩体の廃棄物の熱放出による温度上昇と,熱応力を求める手法の検討を行っている。本章で得られた非定常熱伝導と熱応力用計算手法(およびその計算コード)は,廃棄物処分のための,熱実験の解析に十分適用できるものと思われる。
None
一次資料へのリンクURL/PNC-TJ199-81-18.pdf (fulltext)
連携機関・データベース国立情報学研究所 : 学術機関リポジトリデータベース(IRDB)(機関リポジトリ)
提供元機関・データベース日本原子力研究開発機構 : JOPSS:JAEA Originated Papers Searching System