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書誌情報
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- 資料種別
- 図書
- タイトル
- 著者・編者
- 山崎, 勝義
- 著者標目
- 出版事項
- 本文の言語コード
- jpn
- NDC
- 対象利用者
- 一般
- 一般注記
- type:text物質による光の吸収や放出(発光)について学ぼうとすると,例外なくEinsteinのA係数とB係数に遭遇する。A係数は励起状態にある分子(原子も含む)の発光しやすさの定量的尺度であり,励起分子が数密度n*(単位:m^−3)で存在するとき,A係数とn*との積A・n*が単位時間,単位体積あたりに光を自然放出する分子の数(単位:m^−3⋅s^−1),つまり,単位時間,単位体積あたりに放出される光子の数を与える。一方,B係数は光の吸収しやすさの尺度であるが,数密度n(単位:m^−3)で存在する分子に光が照射されるとき,単位時間,単位体積あたりに光を吸収する分子の数がB・nで表されるかというと,そうではない。正しくは,B・ρ・nであり,分光放射エネルギー密度ρが必要となる。まず,ρの単位について考えると,エネルギー密度という名称であるからJ⋅m^−3 という単位をもつと考えてしまいがちであるが,これは誤りである。たとえば,ρの代表例であるPlanckの式ρ(ν)の単位はJ⋅m^−3⋅sであり,時間sが含まれる。そこで,エネルギーの密度という名称なのになぜ時間が入ってくるのか,「単位体積あたりのエネルギー×時間」とは何なのか,などなど疑問があふれ出てくることになる。また,Bについては,単位J⋅m^−3⋅sをもつρとの積でs^−1という単位を与えるから単位J^−1⋅m^3⋅s^−2をもつことは間違いないが,物理量の意味を想像できるような単位ではないので,途方に暮れてしまうことになる。本書は,ρの単位に関する疑問を解き,EinsteinのA係数とB係数の中身および係数同士の関係,さらに,光吸収断面積(吸光係数)とEinstein係数との関係を理解するために書かれたmonographである。第5版第8刷