一般注記type:text
[はじめに]1974年以降の石油価格の高騰にもかかわらず,我国の園芸施設総面積は, 図1に示すように,依然として増大傾向を維持している.この増大傾向は,次の3つの理由により支えられていると考えられる.すなわち,国民の‘温室作物’に対する根強い需要,第2に,園芸農家の労力周年均等化への努力,第3に,官民による省エネ対策努力である.1980年における我国温室総面積30,119haのうち,暖房面積は13,217haを占め,暖房用年間石油使用量は約130万klであるといわれている.表1は,作物別の施設面積,暖房面積,石油使用量を示したものである.我国全体の年間総石油使用量は約2億6千万klであるから,温室暖房用石油は,わずか,その0.5%を占めるにすぎないが,施設園芸経営の立場からみると,キュウリ,ナス,ピーマン,カーネーションなどの越冬栽培において,暖房用重油代は,全生産費の10~40%を占めると言われる.したがって,効率的な暖房及び保温は,全作物生産費の低減に少なからず寄与し得ると期待できる.翻えって,太陽エネルギの利用は,施設園芸の本来の姿をとり戻させる栽培法であるとも言い得る.
日本生物環境調節学会大会シンポジウム(1981)高知大学 “省エネルギ下の施設園芸”発表
source:日本生物環境調節学会大会シンポジウム(1981)高知大学 “省エネルギ下の施設園芸”
一次資料へのリンクURLhttps://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/108236/kozai-1981-8.pdf
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