一般注記書写資料 CD-635
KW210/24の巻頭に「秋雨の夜半に寒燈を剪て古き物語を集ぬれハ、これなむ雨夜の燈火と言へし」とあり、巻末には「此書ハ湯浅元禎輯録して宗政公え指上奉りし草案を請て写し畢ぬ」とある。岡山藩士・学者の湯浅元禎(常山、1708〜81)が古い物語から戦国〜江戸初期ごろの武将たちの逸話を集めて編集し、岡山藩第4代藩主池田宗政(1727〜64)に献上したものの写本。KW210/24、KW210/25とも同系統の写本で、KW210/24がより原本に近いと推測されるが、写した人物、写された年代とも明らかでない。KW210/25には巻末に「安政四年(1857)巳閏五月写之 井上与一右衛門所蔵(朱印)」とある。明和8年(1771)赤松勲の跋文のある「雨夜燈(あまよのともしび)」(帝国文庫本『常山紀談』に付録として収められている)に比べ、本書の方が記事の項目が多い。