タイトルよみチュウゴク ロウドウ シジョウ ノ コウゾウ ヘンカ : ホウコクショ
紹介文(参考図書紹介)中国の労働市場の構造変化というテーマの下に、現地調査やアンケート調査をまとめた報告書。第1章「中国経済は転換点を迎えたか?」では、四川省農村調査の結果、余剰労働力はまだかなり存在しており、それは中国全体を見渡しても同様と推測し、さらに、余剰労働力活用のための問題点を指摘している。第2章「都市労働市場の雇用情勢と出稼ぎ労働者の問題」では、深?市のデータと聞き取り調査から、都市労働市場の変化に対して日系企業がいかに対応しているかを考察している。第3章「農民工の意識に関する調査報告」では、2008年1月に温州市の出稼ぎ労働者に実施したアンケート調査により、農民工が自らの境遇についてどのような見方をしているか、若い世代の農民工がどのような意識を持っているかを分析している。第4章「中国労働契約法制の限界」では、労働市場を取り巻く状況変化の中で、法がどのように適合し、また規制しようとしているのかを、労働契約制度の基本構造の変化を中心に分析している。第5章「中国・大学生就業活動中の社会的ネットワークの役割」では、復旦大学と蘇州大学でのアンケート調査により、中国の大学生が就職活動時に、社会的ネットワークを利用することについてどのように考え、またどのようなときにそれが有効なのかを考察している。第6章「中国企業における中間管理層と労働者層」では、青海省と上海市の国有企業と、上海市の日系企業の現地調査を基に、中間管理層と労働者層の階層格差の実態を、日本的労働関係との比較を念頭に、終身雇用制、年功型賃金制、内部労働市場などの視点から分析している。