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【書評】
インスリン発見の地,トロント大学は「100周年シンポジウム」を2021年4月にWEBで開催する.私も参加した準備委員会は,数年前から「2021年に糖尿病はどうなっているか?」の討論を始めた.私は「1型糖尿病はiPS細胞などの再生医療の進歩で,治癒する病気になっているべきだ」と述べた.他のメンバーは,「インスリン製剤の進歩で,1型糖尿病患者の予後も良好になっているよ」と強調したが,私は「いまだにインスリン療法は非生理的だ! だって皮下投与では,健常人の“糖のながれ”を再現できないのだから」と主張した.
一方,2型糖尿病患者に対しても,いまだにインスリンは“magic drug ! miracle drug !”であることは間違いない.「そろそろインスリン治療が必要と思うので,よろしく」と紹介されて受診してきた高血糖例に対して,躊躇なく外来診療で緻密なインスリン療法を開始し,速やかに正常血糖応答を維持し,内因性インスリン分泌を回復させ,“インスリン療法から離脱させる”ことすら,専門医の間では普及してきた.しかし現状は,本邦でインスリン療法を長期間受けている2型糖尿病患者130万人のなかで,HbA1cが7%未満になっている例,すなわちインスリン療法から離脱できる可能性がある例は20%未満にすぎない.おそらく膵β細胞インスリン分泌能が回復するためのthe point of no returnを超えてしまってからのインスリン治療導入であったと捉えざるを得ない.すなわち,「インスリンが“敗戦処理手段”になってしまっている」のではなかろうか.
私どもも含め,たとえ軽度であっても高血糖を放置することが,内因性インスリン分泌を低下させ続けることの機序が,膵β細胞や分子のレベルで次々と証明されてきている.
本邦の2型糖尿病患者の寿命も長くなり,これからの人生100年時代,血管障害や認知症がなく,元気に過ごしてもらうためには,内因性インスリン分泌を活用した治療を長期間継続することが必要となる.進歩した種々の薬剤を巧みに用い,血糖応答をよくすることで,内因性インスリン分泌を保持し,それを最大限活用し,健常人の“糖のながれ”を再現してあげるように,緻密な診療を続けていくことも可能になってきている.インスリン療法ですら,その一助になっていることをご理解いただきたい.
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- 資料種別
- 図書
- ISBN
- 978-4-524-26598-5
- タイトルよみ
- トウニョウビョウ チリョウ マスター ノ タメ ノ チュウシャ リョウホウ マニュアル
- 著者・編者
- 清野弘明, 朝倉俊成 編著
- 出版事項
- 出版年月日等
- 2020.9
- 出版年(W3CDTF)
- 2020
- 数量
- 302p