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【書評】
デルマドロームとは全身疾患に由来する皮膚病変のことを指す.また,オラドロームとは全身疾患を示唆する口腔粘膜病変を指す造語である.皮膚や口腔粘膜はさまざまな内臓疾患を映し出す鏡である.内科医であればデルマドロームやオラドロームに精通しているべきではあるが,実のところ,これらの病変は「見えてはいても診れてはいない」ことが多いと思われる.いや,それどころか積極的に診てはいない可能性すらあろう.眼を開けていれば見える病変であるにもかかわらずである.心当たりのある内科医はぜひこの書籍を手元に置いて欲しいと思う.
内科医であれば病歴で勝負したくなるかもしれない.しかし,皮疹や粘膜病変の基礎知識がなければ何を聞くべきなのか皆目見当がつかない.たとえば,線状の紅斑を認めた場合,何を聞けばよいか.流行歴か,性行為感染症のリスクか.本書では,まず考える疾患,そして確認すべき項目をなぞりながら,皮膚科医の思考過程をわかりやすく解説している.シイタケ摂取歴,抗がん薬投与歴を確認し,皮膚筋炎や成人Still病が鑑別にあがることがわかれば,あとは内科医の得意分野にもち込める.
皮膚と口腔粘膜は連続した一つの臓器ではあるものの,皮膚科医であっても口腔粘膜病変に精通しているとは必ずしもいえないそうである.そのため,本書は皮膚科医と口腔内科医が互いの得意とするところを出し合いながら作成されている.写真の豊富さと美しさも本書の特徴であり,ざっと写真を眺めるだけでも勉強になる.また,実診療で役立つポイントや最新の検査方法などをコンパクトにまとめられた解説により,ベテラン医師にとっても学び多き書籍といえよう.
百聞は一見に如かずという言葉どおり,皮疹や粘膜病変が与える情報量は多い.デルマドロームやオラドロームは,使いこなすことができれば内科初心者から一気に上級内科医へと昇格できる魔法のアイテムである.その一方で,誤った解釈をすれば取り返しのつかない誤診につながるかもしれない.本書では良性の皮膚疾患から悪性腫瘍に伴う皮疹を見抜くポイントなど,一流の皮膚科医からのclinical pearlsが散りばめられている.今日からデルマドローム&オラドロームを学びたいという内科医から,すでにデルマドローム&オラドロームの重要性を理解している内科医まで幅広くお勧めしたい一冊である.
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