書店で探す
目次
【書評】
「NBIに関する必須知識と内視鏡観察・診断のコツを学ぶことができる質の高いアトラス」
『NBI内視鏡アトラス』が十数年の時を経て改訂された.初心にかえって本新訂版を読破したところ,実に新鮮で,心が躍る思いがした.各章の「アトラス」のパートは見開きの左頁に内視鏡所見,右頁に解説という統一した構成になっており,読みやすく,そしてわかりやすい.手軽に持ち歩くことができるように書籍のサイズがコンパクトでありながら,アトラスに掲載されている写真は,精細な拡大内視鏡所見も十分にわかるように工夫されており,すべての写真が鮮明で目を奪われる.
narrow band imaging(NBI)の市場導入時期に合わせて,私が編集した『特殊光による内視鏡アトラス』(日本メディカルセンター)が発行されたのが2006年5月である.その後,類似の技術が次々と発表されるとともに“特殊光”という用語そのものが曖昧に使用されるようになり,同時に国際的に通用する英語表現として整合する必要もあって,内視鏡観察法の目的別分類を提唱した.その結果,NBIは画像強調観察(image-enhanced endoscopy:IEE)の一つと位置づけられ,多くの内視鏡専門医の先生方をはじめ,実地医家の先生方にも評価されて,瞬く間に普及していった.そのような最中の2011年5月に『NBI内視鏡アトラス』の初版が発行されている.この17~18年間にNBIは,内視鏡診断領域におけるIEEを大きく発展させ,同時に国際的に統一した内視鏡診断基準を作成する機運をもたらし,IEEに基づく診断学の世界的標準化を加速させてきた.そしてそれは,臨床研究のみならず,実際のがん医療に大きな貢献を果たしてきた.本書評を執筆する直前の2023年7月10日~12日に,エジプトの消化器関連学会(EDDW)に参加して,世界内視鏡学会(WEO)主催の内視鏡診断学コースを欧州の先生方とともに担当した.このコースには,エジプトのみならず,リビア,エチオピア,ケニアといった北アフリカの若い先生方が300名ほど参加されていた.私は,早期胃がんの内視鏡診断とNBIを用いた拡大内視鏡診断の講演に続いて,インタラクティブな質疑応答を行った.アフリカの若い先生方は目を輝かせて,食い入るように講演を聴いていたのが印象的であった.日本で開発されたNBIの技術は,アジア諸国,欧米,南米のみならず,アフリカ大陸まで広がり,まさに世界規模での普及をみるまでになったものと実感している.本技術が世界的に普及することによって,がんの早期発見・診断に役立ち,世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献することを切に願っている.
本書は,内視鏡専門医を目指す若手医師,そして専門医,指導医の先生方にとって,NBIに関する必要不可欠な知識と内視鏡観察・診断のコツを学ぶことができる質の高いアトラスであり,編集に当たられた武藤学先生,八尾建史先生,佐野寧先生の内視鏡診断に対する真摯な姿勢と強い信念を感じ取ることができる.ぜひ座右に備えて,日常の内視鏡診療に役立てていただきたい.
全国の図書館の所蔵
国立国会図書館以外の全国の図書館の所蔵状況を表示します。
所蔵のある図書館から取寄せることが可能かなど、資料の利用方法は、ご自身が利用されるお近くの図書館へご相談ください
関東
東京都立中央図書館
紙- 請求記号:
- 492.1-5347-2023
- 図書登録番号:
- 7116982772
四国
高知県立図書館
紙- 請求記号:
- 493.4-エヌ
- 図書登録番号:
- 1111878185
その他
CiNii Research
検索サービス紙連携先のサイトで、CiNii Researchが連携している機関・データベースの所蔵状況を確認できます。
書店で探す
出版書誌データベース
から購入できる書店を探す
『Books』は各出版社から提供された情報による出版業界のデータベースです。 現在入手可能な紙の本と電子書籍を検索することができます。
別の方法で探す