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【書評】
「System 2の妙」
The New England Journal of Medicine(NEJM)といえば,医学総合系で最も高いインパクトファクター(158.5(JCR 2022))を誇り,泣く子も黙るような雑誌だが,そのなかのシリーズの内容が日本語で紹介されるのは本書でおそらく3冊目であろう.Clinical Problem—Solving(CPS)は1992年にスタートし,おおむね毎月の最初の号に掲載されているシリーズである.CPSが掲載される号にはあの有名なCase Records of the Massachusetts General Hospitalが掲載されない! CPSの国内での認知度は不明だが,コアな読者がいるに違いないと想像している.
1996年に評者がGeorgetown Universityへ内科の視察に行ったとき,モーニング・レポートの場面でCPSをチーフレジデントが教材に使っているのをみた.具体的には,症例提示部分のみをみせて研修医が議論し,最後に解説の部分を渡すというもので,非常に教育的だと感じた.そこで2000年頃に,私も研修医に対して同様の教育を数年間行っていたが,その後は忙しくなりその勉強会は立ち消えになっていた.2023年に当科で久方ぶりにこの勉強会が開かれた.評者が歳をとっただけかもしれないが,教育的な内容であるとの印象には変わりがないものの,discussantのコメントが今一つだったり,症例のプレゼンが雑だと思うことがあった.CPSのキモは,疾患に対する解説者の理解度の高さを追体験して吸収していくところにある.
そこで本書の登場である.単なるCPSの訳ではなく,志水太郎教授による症例解説が行われているのが独特であった.同じ病歴の提示を受けたときに,何をどこまで想起できるかという点が臨床推論の醍醐味である.疾患のいわゆる“ゲシュタルト”がわかっていると,病歴から特定の疾患を想起できるが,皆それがないから悩むのである.難解な症例というのは,おおむね頻度のまれな現象が多いため,これらをどの程度理解しているかという,ゲシュタルトへの深い洞察が求められる.熟達者は,ないものをないと言い切り,ありそうなことが何かということを自然に鑑別しているだろう.そうなるには,各々の症例を自分の経験として体得できるようにゲシュタルトの認知を鍛えることが必要である.私は悩んだら,まずは疾患のreview articleや症例報告を探して,それらを読むことで鍛えてきた.これはsystem 1の鍛え方である.NEJMの解説者もおおむね同じような感覚で書いていると思う.
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- 1112223795
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- 資料種別
- 図書
- ISBN
- 978-4-524-22727-3
- タイトルよみ
- エヌイージェーエム クリニカル プロブレム ソルヴィング タロウ ノ ベッカイ
- 著者・編者
- 志水太郎 著
- 著者標目
- 著者 : 志水, 太郎, 1977- シミズ, タロウ, 1977- ( 001164256 )典拠
- 出版事項
- 出版年月日等
- 2024.4
- 出版年(W3CDTF)
- 2024
- 数量
- 146p