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上腕骨外側上顆炎診療ガイドライン 2024

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上腕骨外側上顆炎診療ガイドライン. 2024

国立国会図書館請求記号
SC551-R51
国立国会図書館書誌ID
033721902
資料種別
図書
著者
日本整形外科学会, 日本肘関節学会 監修ほか
出版者
南江堂
出版年
2024.10
資料形態
ページ数・大きさ等
105p ; 26cm
NDC
494.77
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資料詳細

要約等:

上腕骨外側上顆炎(いわゆるテニス肘)に関し,最新のエビデンスに基づき大幅に内容を拡充した診療ガイドラインの改訂版.(提供元: 出版情報登録センター(JPRO))

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目次

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  • 【書評】

  • 本書は,日本整形外科学会と日本肘関節学会が監修のもと,2024年10月に発行された.2006年に第1版,2019年に第2版が発行され,今回が第3版になる.改訂にあたっては「Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020」に準拠して,治療法を中心に18個のClinical Question(CQ), 20個のBackground Question(BQ), 4個のFuture Research Question(FRQ)が採択された.CQについては,委員会メンバーによる投票で推奨度を決定し,強い,弱い,提示できないの三つに区分している.エビデンスの強さは,A(強く確信がある)~D(ほとんど確信できない)まで4段階ある.

  • 上腕骨外側上顆炎は,いわゆるテニス肘である.整形外科医であれば誰もが遭遇することのあるcommon diseaseである.ただし,病態は十分に解明されておらず,肘関節内外の組織に及ぶ複数の病態が包含されている.伸筋群起始部以外の障害として,橈骨管症候群,輪状靱帯など靱帯付着部(enthesis)に連続する腕橈関節の病変,肘関節内の滑膜炎,腕橈関節滑膜ひだ障害,腕橈関節軟骨変性などがあげられる.対象とする病態が明確にされていない論文も散見される.第3版では診断基準を,①外側上顆の伸筋群起始部にもっとも強い圧痛がある,②抵抗下手関節背屈運動で肘外側に疼痛が生じる,と定めたうえで検討されている.  本書のCQ 1~12は保存療法,CQ 13~17は手術療法,CQ 18は手術療法と保存療法の比較となっている.ステロイド局所注射は,有意な有用性を短期では認めたが,6ヵ月以上の長期では認めなかったことから,長期の有用性を期待したステロイド局所注射は行わないことが提案されている(CQ 2:合意率100%,エビデンスB). 多血小板血漿(PRP)局所注射については,介入研究10論文と観察研究19論文を採用し,弱く推奨するとされている(CQ 4:92%, B). 前腕伸筋群エクササイズと肩甲帯周囲筋エクササイズについて検討した論文が採択され,運動療法を行うことが強く推奨されている(CQ 7:91%, B). 18個のCQの中で,この運動療法が唯一の強い推奨となっている.

  • 保存療法に抵抗性を示す上腕骨外側上顆炎ではしばしば手術が行われる.手術の内容はさまざまであるが,直視下手術を行うことが弱く推奨されている(CQ 14:100%, C). 直視下手術と保存療法を比較し,有用性を評価した論文はない.関節鏡視下手術を行うことが弱く推奨されている(CQ 16:85%, C). 肘不安性を有する難治性上腕骨外側上顆炎に外側側副靱帯手術を行うことが弱く推奨されている(CQ 17:91%, D). 前腕自重による伸長ストレス,ステロイド注射や軽微な外傷,病巣切除術に伴う医原性靱帯損傷といった多様な要素が加わり,外側側副靱帯複合体(橈側側副靱帯,外側尺側側副靱帯,輪状靱帯)を構成するさまざまな組織の損傷とそれに伴う不安定性が生じることが報告され,自家腱を用いた靱帯再建術やアンカーを用いた修復術などが近年よく行われている.

  • 18個のCQの中で,エビデンスの強さがAのCQはなく,Bが3, Cが13, Dが2である.いずれのCQも合意率は80~100%で,高いエビデンスはないもののスペシャリストの見解は一致している.FRQやBQでは現時点で明確なことと不明確なことがよく理解でき,教育的な内容で,教科書としても読み応えがある.本書は,日常診療で行われる保存療法と手術療法がほぼ網羅された内容となっている.整形外科医をはじめ看護師や理学療法士などの医療従事者には必携の書と思われる.本書は上腕骨外側上顆炎に対する標準的治療の拠り所となることから,日常臨床の現場で活用したい一冊である.

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資料種別
図書
ISBN
978-4-524-21959-9
タイトルよみ
ジョウワンコツ ガイソク ジョウカエン シンリョウ ガイドライン
巻次・部編番号
2024
著者・編者
日本整形外科学会, 日本肘関節学会 監修
日本整形外科学会診療ガイドライン委員会, 上腕骨外側上顆炎診療ガイドライン策定委員会 編集
著者標目
監修者 : 日本整形外科学会 ニホン セイケイ ゲカ ガッカイ ( 00294537 )典拠
監修者 : 日本肘関節学会 ニホン ヒジ カンセツ ガッカイ ( 01020434 )典拠
出版年月日等
2024.10
出版年(W3CDTF)
2024