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【序文】
注射薬の配合変化に関する情報は,医療現場での安全かつ効果的な治療を実現するために非常に重要です.配合変化とは,異なる注射薬を混合した際に生じる物理的・化学的な変化であり,これにより薬剤の効果が低下したり,患者に有害な影響を与えたりする可能性があります.
配合変化に関する情報は薬剤の効果を最大限に引き出すために不可欠です.特定の薬剤が他の薬剤と混合することでその効果が減弱する場合,その情報を事前に知っておくことで適切な投与方法を選択することができます.また,配合変化によって生成される不溶性物質や有害な副産物は患者にとって重大なリスクとなります.これらのリスクを回避するためにも配合変化の情報は非常に重要です.たとえば,特定の薬剤が混合されると沈殿物が生成される場合,その情報をもとに適切な対策を講じることができます.
注射薬はこれまで病院内で使用されることが多く,このため配合変化の情報は主に病院薬剤師が活用してきました.しかし最近では,在宅医療の推進などに伴い,薬局薬剤師も注射薬の調製を行う機会が増えてきています.今後,薬局薬剤師が注射薬調製において配合変化情報を有効活用したり,他の医療者に情報提供したりすることが増えると思います.配合変化情報を活用することで,混ぜてはいけないという情報以外にも,異なる薬剤を別々のルートで投与する方法や投与前後に生理食塩水でフラッシングを行う方法を提案することができます.
配合変化情報を入手するには,科学的根拠に基づく文献や製薬企業から提供される資料を検索する必要がありますが,多忙を極める医療現場においては,時間を有効に使うためにも情報を整理した書籍の有用性は疑う余地がありません.本書では,実際に病院の医薬品情報室に問い合わせがあった配合変化の組み合わせを調査し,対象薬剤に盛り込みました.現場ですぐに利用できることを考慮し,まず「配合可」か「配合不可」かが一目でわかるようにレイアウトしています.序論としてpH 変動スケールの使い方も解説していますので,pH 変動スケールの情報がある薬剤は活用して欲しいと思います.また,文献データなどがない薬剤の一部については山口東京理科大学薬学部で実験を行い,データを追加しています.
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