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【書評】
本書は,大腸癌の薬物療法に関する知識を体系的に整理し,臨床実践への応用を目的としたきわめて優れた一冊である.本邦における大腸癌治療を担うエキスパートの消化器外科医,消化器内科医,腫瘍内科医によって執筆され,最新のエビデンスに基づいた知識が精緻にまとめられている.長年の臨床経験と最先端の科学的知見が融合し,外科医の視点を重視した構成が特徴的である.
総論では,臨床病期に基づく治療アルゴリズムが詳細に解説され,とりわけcStageⅣに焦点を当てた薬物療法の選択が,患者の全身状態,腫瘍の占拠部位,バイオマーカー情報をふまえ具体的に示されている.癌薬物療法の発展による予後延長,genetic statusを考慮した適切なコンパニオン診断・ゲノムプロファイリングの実施のタイミングも明確に記載され,次世代の遺伝子検査技術への展望が示唆されている.
また,術後補助化学療法の歴史的変遷とエビデンスが整理され,再発リスクの軽減と予後改善に関する最新の知見が提示されている.特に進行直腸癌に対するtotal neoadjuvant therapyや,ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)/高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)を有する症例に対する免疫チェックポイント阻害薬の臨床的有用性についても詳述され,日本国内における検証状況と今後の展望が示されている.Conversion治療に関しても,適切な画像診断と治療タイミングの重要性が強調され,外科医が的確な判断を下すための指針が提供されている.さらに,緩和ケアの早期導入が患者の生活の質(QOL)向上および生存期間延長に寄与するというエビデンスに基づき,その実践的なアプローチが詳細に解説されている.
各論では,補助化学療法ならびに切除不能進行・再発大腸癌に対する薬物療法のレジメンが網羅的に紹介されている.各薬剤の作用機序,投与スケジュール,支持療法,副作用管理が綿密に整理され,臨床現場での即時活用が可能な構成となっている.レジメンの選択基準,コンパニオン診断の意義,執筆者の施設における実践的な症例報告が豊富に掲載され,読者が自身の臨床経験に応用できる内容である.また,各薬剤の歴史的変遷と科学的背景が過去10年以上にわたって網羅され,大腸癌薬物療法の進化の軌跡を俯瞰できる点も本書の魅力である.
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- 資料種別
- 図書
- ISBN
- 978-4-524-21156-2
- タイトルよみ
- ゲカイ ノ タメ ノ ダイチョウガン ヤクブツ リョウホウ ガイドブック
- 著者・編者
- 内藤剛, 佐藤武郎 編集
- 出版事項
- 出版年月日等
- 2024.12
- 出版年(W3CDTF)
- 2024
- 数量
- 153p