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【書評】
「非循環器専門医が明日から心不全の最新治療を実践できる」
わが国は他国に例をみない超高齢社会に突入し,加齢とともに発症頻度が上昇する疾患の患者数が大きく増加している.その一つが心不全であり,その患者数は100万人以上とされ,現状は「心不全パンデミック」と称されている.患者数が多いうえに高齢患者の占める割合が高いため,心不全患者の診療を心不全専門医のみでカバーすることは不可能であり,また循環器専門医のみで担うことも困難である.現在,心不全はcommon diseaseの一つとして扱われており,多くの非循環器専門医がかかりつけ医としてその診療を担っている.そのようななかで,ガイドラインにおいて標準的な心不全治療が提示されているものの,その実践率は十分なレベルに達していないという大きな問題がある.
心不全の治療では,左室駆出率に基づいて患者を三つの病態に分けて投薬を考えることがガイドラインで求められている.最もエビデンスが多い左室駆出率が低下した心不全(HFrEF)の基本治療薬について,従来はRAS阻害薬,β遮断薬,MR拮抗薬の3剤であったが,現在ではアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)を含むRAS阻害薬,β遮断薬,MR拮抗薬,SGLT2阻害薬の4剤となり,最も強力な組み合わせはARNI,β遮断薬,MR拮抗薬,SGLT2阻害薬とされている.ARNIおよびSGLT2阻害薬がわが国において心不全治療目的で処方可能となってから約5年が経過したが,循環器を専門としない医師にとっては,使い慣れた薬剤という位置づけにはまだ至っていないと思われる.いくら効果的な薬剤が市販されても,処方する立場にある医師が扱いにくい薬剤と思ってしまうと,患者に届けることができない.
本書では,不整脈専門医の山下武志先生(ご本人いわく心不全非専門医)がARNIおよびSGLT2阻害薬の位置づけ,作用機序,使い方などについて,循環器を専門としない医師でも理解しやすいように簡潔にまとめている.医療はサイエンスであるため,単に心不全患者にはARNIやSGLT2阻害薬を投与すればよいというメッセージにならないよう,作用機序についてもわかりやすく解説されている.まさに「賢者は複雑なことをシンプルに考える」が体現された書籍である.全編を読むことが難しい場合,まずは各項目の最後に記載されている短文の「エッセンス」を読み,それから興味のある項目を初めから読むという使い方が可能である.
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- 資料種別
- 図書
- ISBN
- 978-4-524-21867-7
- タイトルよみ
- アーニー ト エスジーエルティー ツー ソガイヤク ニ ツイテ シンプル ニ マトメテ ミマシタ
- 著者・編者
- 山下武志 著
- 版
- ver.2
- 著者標目
- 著者 : 山下, 武志, 1961- ヤマシタ, タケシ, 1961- ( 00683278 )典拠
- 出版事項
- 出版年月日等
- 2025.2
- 出版年(W3CDTF)
- 2025