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博士論文
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国立国会図書館デジタルコレクション
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ガスタービン翼モデルにおける内部乱流促進リブが膜冷却性能に及ぼす影響
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/10120534
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資料に関する注記
一般注記:
- 国内電気事業における火力発電事業では,他火力と比べ高効率で低エミッションであるLNGガスタービンコンバインドサイクル(Gas turbine combined cycle: GTCC)の導入を進めてきた.また,ガスタービンは,2011年3月に発生した東日本大震災以降,緊急電源として設置されるなど電力...
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書誌情報
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デジタル
- 資料種別
- 博士論文
- 著者・編者
- 安形, 友希子
- 著者標目
- 出版年月日等
- 2013-09-26
- 出版年(W3CDTF)
- 2013-09-26
- 並列タイトル等
- Effect of internal turbulence promoting ribs on film cooling performance for gas turbine blademodel
- 授与機関名
- 横浜国立大学
- 授与年月日
- 2013-09-26
- 授与年月日(W3CDTF)
- 2013-09-26
- 報告番号
- 甲第1572号
- 学位
- 博士(工学)
- 博論授与番号
- 甲第1572号
- 本文の言語コード
- jpn
- NDLC
- 対象利用者
- 一般
- 一般注記
- 国内電気事業における火力発電事業では,他火力と比べ高効率で低エミッションであるLNGガスタービンコンバインドサイクル(Gas turbine combined cycle: GTCC)の導入を進めてきた.また,ガスタービンは,2011年3月に発生した東日本大震災以降,緊急電源として設置されるなど電力不足の社会情勢の下で重責を負っている.さらに,ガスタービンは機動性にも優れているため,今後,自然エネルギーの導入が進んだ場合には,負荷変動の吸収源としても期待され将来的にも重要な位置付けにある.GTCCプラントの熱効率向上は,環境負荷低減や燃料消費量削減への寄与が大きいことから,従来から,熱効率の向上に資するためガスタービンのタービン入口温度の上昇が図られており,現在ではタービン入口温度が1700℃級のガスタービンの実用化も目前となっている.その結果,タービンに流入するガス温度はタービン翼材料(基材)の許容温度を遥かに超え,安全性や耐久性を確保するためには,翼基材を守る冷却技術が非常に重要な役割を担っている.さらに,翼の冷却空気は圧縮機からの抽気を用いるため,冷却技術の向上によって冷却空気量を削減することで,ガスタービンの比出力を上げGTCCの更なる熱効率の向上を実現させることができる. 最近主力となっているタービン入口温度が1300℃を超えるガスタービンの初段翼では,伝熱促進リブを設けた翼の内部流路に冷却空気を流す‘内部対流冷却’と,その冷却空気の一部を翼面に吹き出す‘膜冷却’の併用が広く採用されている.さらに,翼面には‘遮熱コーティング’が施工され,それら全体の効果によって翼基材の温度を安全に保っている.本研究では,内部対流冷却と膜冷却を対象とする.これらの技術は,個別には,これまでにも数多くの研究が行われてきている.その一方で,内部冷却空気は膜冷却空気の供給源であり,膜冷却性能に対する重要な影響因子であるのにもかかわらず,各々の相互干渉や複合効果については,これまで研究対象としてほとんど取り扱われてこなかった.最近になり,膜冷却に対する基礎研究において冷却空気の供給条件や境界条件が膜冷却性能に及ぼす影響が指摘され始めたが,タービン翼の冷却構造を模擬して冷却特性の検討が行われた例は極めて少ない.そこで,本研究では,ガスタービン初段動翼の冷却構造に焦点をあて,内部冷却流路に設置される伝熱促進リブの配置が,翼面の膜冷却性能に及ぼす影響の解明を試みた.従来は,膜冷却性能の評価,見積もりに考慮されることがなかった内部冷却流路のリブ配置が,膜冷却性能を決定づける翼面の膜冷却空気の流れ構造に,顕著な違いを生むことを本論文で示す.本研究では,実機翼における典型的なリブの配置として,内部冷却流に対してリブが60°傾斜した配置(Rib1),およびリブが120°傾斜した配置(Rib2)について,風洞実験および数値解析により膜冷却性能を評価した.膜冷却性能を示す熱流束を求めるために,従来簡便な方法で代替えされてきた膜冷却時の熱伝達率について,実験や数値解析で評価し,熱流束低減率および表面温度低減率を求めて,内部冷却流路のリブ配置の違いが膜冷却性能の特性に及ぼす影響を詳細に議論した.本論文の構成は次のとおりである. 第1章では,本研究の目的および重要性について述べ,既往研究との関連性について概説した. 第2章では,膜冷却性能の評価方法について定式化し,熱流束低減率γ,表面温度低減率χを定義した. 第3章では,ガスタービン動翼の内部対流冷却と膜冷却を模擬した風洞実験により,膜冷却孔下流の熱伝達率および断熱膜冷却効率を計測し,さらに,両者を統合して求める熱流束低減率および表面温度低減率によって膜冷却性能を評価し,そのリブ配置への依存特性を明らかにした.断熱膜冷却効率と熱伝達率の局所分布は,リブ配置によって大きく異なる特性を示した.両分布はともに,Rib1では,膜冷却孔の中心を通る主流方向の軸に対して整った対称性を示したのに対し,Rib2では非対称な分布を示した.また,吹出比依存性についても,リブ配置に依存する特徴を明らかにした.断熱膜冷却効率は,Rib1で吹出比の増加に伴って著しく低下するのに対し,Rib2の場合にはほとんど変化を示さなかった.熱伝達率は,両リブ配置でともに吹出比に伴って増加するが,Rib2では,Rib1と比較して著しい増加を示した.熱流束低減率および表面温度低減率については,断熱膜冷却効率に近いリブ配置に対する依存性を示し,吹出比の増大に伴ってRib1では著しく低下するのに対して,Rib2での変化は僅かであった. 第4章では,断熱膜冷却効率に関する風洞実験を模擬したDetached-eddy simulation(DES)を行った.第3章で明らかにしたリブ配置に依存する膜冷却特性を決定づけている流れ構造を明らかにした.また,本数値解析により,膜冷却における流れ構造の予測に対するDESの有効性について示した. 従来研究より,定常のレイノルズ平均ナビエ-ストークス方程式(Reynolds averaged Navier-Stokes,以下RANS)に線形の渦粘性モデルを用いた乱流計算では膜冷却構造の正確な予測が難しいことが指摘されてきたが,一方で,Large-eddy simulation(LES)やDirect numerical simulation(DNS)は,壁近傍に膨大な格子数が必要となり実用的な検討には適用が容易でないことも明らかである.そこで,本研究では,LESとRANSのハイブリッドモデルであるDESの適用を試みた.DES結果の可視化から,Rib1では典型的な膜冷却構造である双子渦の形成により,吹出比の増加に伴って,膜冷却空気が壁面から離脱するリフトオフが発生し,膜冷却効率の大幅な低下が生じていることが分かった.Rib2では,吹き出した膜冷却空気が,主流へ貫通する歪曲した渦構造(skewed vortical lump: SVL)と,壁近傍で壁面に向かう流れを形成する流れ構造(wall-ward lump:流れの可視化により,この膜冷却構造の違いは,内部リブで生じる剥離流れが冷却孔入口における熱流動場に及ぼす影響を明らかにした. 第5章では,主流と吹出し空気を等温として等熱流束壁面条件を設定し,熱伝達率の計測実験を模擬したDESを行った.熱伝達率予測に対するDESの有用性を示すとともに,第4章で示したものと同一の膜冷却空気構造から,熱伝達率および断熱膜冷却効率の分布を生みだすメカニズムを明らかにした.さらに,数値解析結果を用いて熱流束低減率および表面温度低減率を評価し,各々の挙動について数値解析によって得られる流れ場を基に議論した. 速度計測結果との比較によって,膜冷却流れの予測性能おける定常RANSに対するDESの明らかな優位性を確認した.定常RANSについては,従来から知られる冷却空気の拡散に対する過小評価の結果,膜冷却空気の流れ構造が計測結果やDES結果と大きく異なり,膜冷却流れの予測は困難であることを確認した.また,DESによって得られた壁面上の膜冷却空気の流れ場および温度場に基づき,熱伝達率と断熱膜冷却効率の局所分布を生みだすメカニズムを明らかにした.Rib1とRib2では,それぞれ双子渦とWWLが,断熱膜冷却効率および熱伝達率の局所分布特性に対して支配的であることを示した.それを踏まえて,断熱膜冷却効率,熱伝達率,熱流束低減率,表面温度低減率の局所分布の主流方向への進展や吹出比に対する依存性を,膜冷却空気の構造とともに,各々の相関関係から個別の挙動に至るまで詳細な議論を行い,膜冷却性能向上のための指針を示すリブ配置による膜冷却性能の変化メカニズムを明らかにした. 第6章では,各章における成果を総括した.
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/10120534
- コレクション(共通)
- コレクション(障害者向け資料:レベル1)
- コレクション(個別)
- 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
- 収集根拠
- 博士論文(自動収集)
- 受理日(W3CDTF)
- 2016-07-07T04:28:02+09:00
- 作成日(W3CDTF)
- 2016-09-16
- 記録形式(IMT)
- application/pdf
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