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博士論文
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国立国会図書館デジタルコレクション
デジタルデータあり(岩手大学)
海上流出油の移流及び拡散に関する数値計算法の開発
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/10318845
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一般注記:
- 開始ページ : 1終了ページ : 105タンカーの海難事故や油井の事故による油流出は従来と比較して減っているけれども,依然日本及び世界各地において発生しており,今後も日本近海において大規模な油流出が発生する危険性がある。国土交通省では大型油回収船と小型油回収船を所有しており,大量の油流出が発生した際...
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書誌情報
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デジタル
- 資料種別
- 博士論文
- 著者・編者
- 松崎, 義孝
- 出版事項
- 出版年月日等
- 2014-09-01
- 出版年(W3CDTF)
- 2014-09-01
- 授与機関名
- Iwate University
- 授与年月日
- 2014-09-25
- 授与年月日(W3CDTF)
- 2014-09-25
- 報告番号
- 乙第48号
- 学位
- 博士 (工学)
- 博論授与番号
- 11201乙第48号
- 本文の言語コード
- jpn
- 一般注記
- 開始ページ : 1終了ページ : 105タンカーの海難事故や油井の事故による油流出は従来と比較して減っているけれども,依然日本及び世界各地において発生しており,今後も日本近海において大規模な油流出が発生する危険性がある。国土交通省では大型油回収船と小型油回収船を所有しており,大量の油流出が発生した際には油回収作業を行う。効率よく油を回収するには,海上流出油がいつ,どこに,どの程度漂流するかという情報が必要となる。そこで,著者の所属する港湾空港技術研究所では油回収船による油回収作業の支援を目的とした,海上流出油の移流及び拡散に関する数値計算法の開発に取り組んできた。 海上に流出した油の移流及び拡散を予測するためには,1;油の重力(油と海水の密度差による浮力)と表面張力の影響によって拡がる油膜自身の特性による拡散,2;乱流拡散,3;風,潮汐流,海流といった海表面の流れによる移流,といった大きく3つの成分を再現する必要がある。しかしながら,従来の数値計算法には2つの問題があったと考えられる。まず油膜自身の特性による油拡散について,既往の研究では有効な数値計算モデルが提案されていなかった。また,平面2次元方向の油の拡がりに関する実験があまり行われていなかったため,経過時間と油膜拡散速度の関係は理論的に推定されていた。そのため,どのように油拡散面積を計算すればよいか不明であった。 2つ目の問題として,油の乱流拡散は従来からランダムウォークモデルを用いて計算されているけれども,計算結果に大きく影響を与える水平乱流拡散係数の設定方法が不明であった。水中の水平乱流拡散係数を求める方法はいくつか提案されているけれども,漂流油のように海水面極近傍に限った拡散係数については,有効な導出方法が存在しない状況にあった。よって乱流拡散を精度よく計算するために,海水面極近傍の水平乱流拡散係数を適切に見積もる手法が求められていた。また,従来の数値計算法は再現性の検証が不十分であったと考えられる。複数の油流出事故の再現計算を行っているモデルは著者の知る限りでは存在せず,1件の油流出事故の再現計算を行っているか,再現計算を行わずモデルの提案のみにとどまっていた。そこで著者はこれらの問題を解決するために,海上流出油の移流及び拡散に関する数値計算法の開発に取り組んできた。まず,油膜自身の特性による油拡散に関して,複数種類の油を用いた室内実験を実施し,実験結果とFay(1969,1971)のモデルによる油拡散速度を比較した。その結果,Fayのモデルにおける表面張力-粘性領域において油拡散速度が説明できることを示し,実験結果から拡がり係数を導出した。また,Fayのモデルに基づいた新しい数値計算モデルを開発した。数値計算モデルは,表面張力での拡がりを表すランダムウォークモデルと,重力での拡がりを表す斥力モデルを開発した。ランダムウォークモデルについては,静水条件及び定常流条件における油拡散実験結果と比較し,計算結果の評価を行った。次に,水平乱流拡散係数の導出方法に関して,実海域実験を行い海水面極近傍の乱れを計測し,数値計算における係数の設定方法について検討した。実験は,神奈川県三浦市及び平塚市周辺海域において行った。約20個の小型GPSロガーを取り付けたゴムマット製の疑似油を漂流させて,疑似油の漂流位置から海水面極近傍の乱れを計算した。実験結果から,疑似油の拡散スケールと油の水平方向乱流拡散係数に相関があることを導いた。また,海水面極近傍のほうが海水中よりも水平方向乱流拡散係数が大きい傾向にあることが分かった。さらに,実験結果から海上流出油の数値計算に用いるための水平方向乱流拡散係数を計算する方法について考察した。これらの成果を基に,既往研究を参考にしつつ油拡散粒子モデル(英語名:simulation model of OIL transport on water surface by PARI,通称OIL-PARI)を開発した。これは海上流出油を粒子の集まりで表現し,移流及び拡散の影響を粒子の移動速度として求めて合成し,その速度で油粒子を移動させて油の動きを表現する数値計算法である。 開発した油拡散粒子モデルを用いて,2007年に韓国泰安沖で発生したタンカー事故及び1997年に東京湾で発生したタンカー事故に伴う油流出事故に関する再現計算を行った。計算結果について,流況,油膜重心及び油膜拡散面積の再現性に関する評価を行った。また,2014年に東京湾で発生した貨物船事故に伴う油流出事故に関する予測計算を行い,即時に予測が行えることを示した。最後に,移流外力である風,潮汐流,海流のデータベースを構築し,開発した数値計算法を用いて,即時に漂流予測が行える体制を整えた。また,これらの漂流予測技術を応用して,油回収船が海上で油回収作業を行う際に,海上の油を検出し,今後の漂流位置を予測して操船を支援する漂流油捕捉システムを開発した。
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/10318845
- コレクション(共通)
- コレクション(障害者向け資料:レベル1)
- コレクション(個別)
- 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
- 収集根拠
- 博士論文(自動収集)
- 受理日(W3CDTF)
- 2017-04-02T16:10:31+09:00
- 作成日(W3CDTF)
- 2016-05-17
- 記録形式(IMT)
- application/pdf
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- 遠隔複写可否(NDL)
- 可
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