博士論文
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ショウジョウバエのDNAグリコシレースOgg1の酸化損傷修復における役割に関する研究ならびにショウジョウバエ遺伝学の生物教育への応用
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/10402926
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一般注記:
- キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster )(以下,ショウジョウバエ)は遺伝学のみならず広範囲なバイオ分野で実験材料として使われている。その理由として,ショウジョウバエには殆どの遺伝子が変化した系統が存在する,遺伝的に均一な個体を一度に多数取り扱うことができる,マウスな...
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書誌情報
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デジタル
- 資料種別
- 博士論文
- 著者・編者
- 安川, 隆司
- 出版年月日等
- 2015-09-24
- 出版年(W3CDTF)
- 2015-09-24
- 授与機関名
- 京都工芸繊維大学
- 授与年月日
- 2015-09-24
- 授与年月日(W3CDTF)
- 2015-09-24
- 報告番号
- 甲第758号
- 学位
- 博士(学術)
- 博論授与番号
- 14303甲第758号
- 本文の言語コード
- ja
- 件名標目
- 一般注記
- キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster )(以下,ショウジョウバエ)は遺伝学のみならず広範囲なバイオ分野で実験材料として使われている。その理由として,ショウジョウバエには殆どの遺伝子が変化した系統が存在する,遺伝的に均一な個体を一度に多数取り扱うことができる,マウスなどの実験動物より飼育経費が少ない,世代時間が短く,結果が比較的早く得られる,さらには,遺伝子を改変することにより研究目的に最適な個体を作成することができるという点が挙げられる。本論文は5章で構成されている。第1章に緒論,第2章,第3章にショウジョウバエの特徴を生かした研究2題の成果を各々述べた。さらに本研究ではショウジョウバエの遺伝学的実験手法を高校の生物教育に応用した教材づくりも行った。その成果を第4章で述べた。最後に第5章で総合考察を行った。 第2章では,生体を用いた酸化ストレス産生物質ならびに抗酸化物質の簡易的探索システムの開発について述べた。活性酸素を生み出す化学物質ないしは抗酸化物質を,ショウジョウバエ成虫を用いて,簡便,安価に検出できる実験系を開発することをめざした。実際に,ショウジョウバエの活性酸素除去酵素Cu/Zn-SOD(superoxide dismutase)をコードする遺伝子Sod1の突然変異体成虫やSod1 をノックダウンした成虫が,体内で活性酸素を産生させる化学物質パラコート(1,1'-ジメチル-4,4'-ジピリジニウムクロリド)に高感受性であることを示した。また,試験管内で抗酸化作用を示す化学物質(アスコルビン酸,ビタミンEの水溶性誘導体であるTrolox)や同効果をもつとされている植物(茶)成分を飼料に添加して上記成虫に与えた。その生存率を調査することにより,それらの物質が消化,吸収されたのち,体内でどの程度の抗酸化作用を示すかを推定した。その結果,この方法が抗酸化作用をもつ物質の探索に有効であることがわかった。 第3章では,酸化ストレスによりDNAが酸化損傷を受けたときに,ショウジョウバエがそれをどのような酵素を使って除去し,DNA損傷を修復しているかについて,遺伝学的解析を行った結果を述べた。DNAの塩基のうち,特にグアニンが酸化されると,8-oxo-guanineがつくられ,それはアデニンと塩基を対合する。このため8-oxo-guanineの存在はDNAの塩基置換につながる。大腸菌や酵母ではこれを除去する酵素としてOgg1が報告されているが,昆虫ではその機能について知られていなかった。酵母Ogg1と相同なショウジョウバエ遺伝子CG1795が8-oxo-guanineの除去に必須な役割を果たしているか検討した。まず,Ogg1遺伝子座にトランズポゾンが挿入した変異体,その二本鎖RNAを発現できる系統,また,Ogg1遺伝子へのUAS配列挿入系統個体を用いることにより,同遺伝子の発現低下,ノックダウン,大量発現が可能なことをリアルタイムPCR法で示した。次に,酸化ストレスを発生させるパラコートを摂食させて,消化管の上皮細胞の核内に8-oxo-guanineの蓄積を確認した。同遺伝子の発現量に応じて体内の8-oxo-guanineの蓄積量が変化することを明らかにした。これらの解析によって,Ogg1 がショウジョウバエにおいて8-oxo-guanineの抑制に必須であることが証明できた。さらにOgg1遺伝子を大量発現させるだけで成虫寿命が有意に延長することをみいだした。DNAの酸化損傷の修復能が生体老化の鍵をにぎる可能性を考察した。 以上2つの研究では,化学物質の影響などを調査するために,それに対する生物応答に関与する遺伝子の発現量を変化させた。ショウジョウバエでは,遺伝子の発現量を容易に増減できる。ショウジョウバエがもつこのような利点は,生物教育においても有効なツールになるという考えに至った。例えば,劣性の突然変異がホモかヘテロかを見分けるためのマーカーの利用,特定の遺伝子の発現だけを低下させるノックダウン法や増強する過剰発現システムを使って,遺伝の「独立」「連鎖」「組換え」という一般に学生には難解な現象などを理解させるための教材を考案した。そして実際の教育現場でその効果を調査した。本論文の第4章において,ショウジョウバエの実験手法と遺伝子型の表記法を題材にした教材が,遺伝学に対する高校生の興味関心を促進し,遺伝子の独立・連鎖を意識させる教材として有効であることを示した。
- 国立国会図書館永続的識別子
- info:ndljp/pid/10402926
- コレクション(共通)
- コレクション(障害者向け資料:レベル1)
- コレクション(個別)
- 国立国会図書館デジタルコレクション > デジタル化資料 > 博士論文
- 収集根拠
- 博士論文(自動収集)
- 受理日(W3CDTF)
- 2017-08-02T04:31:34+09:00
- 記録形式(IMT)
- application/pdf
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